米ビットワイズのDeFiインデックスファンド、2週間で35億円集める

米資産運用のビットワイズが運営するDeFi(分散型金融)インデックスファンドは、262名の投資家から3250万ドル(約35億円)の資金を集めた。3日に公開された米証券取引委員会への提出書類で明らかになった。

スタートからわずか2週間で、同ファンドはビットワイズにおいて最も速い成長を遂げた私募商品になったと、同社最高投資責任者マット・ホーガン(Matt Hougan)氏は語った。

適格投資家としての要件や、大量の書類提出、送金など、私募証券投資における多くのハードルを越え、投資家は記録的なスピードで同DeFiファンドに資金を投下している。「ペースが衰える気配はなく、ファンドが初めの数週間で、数百人の新規投資家を集めることはきわめて珍しい」(ホーガン氏)。

DeFi投資商品が、ビットコイン(BTC)ファンドよりも速いペースで伝統的金融の世界から資金を集めているという事実は、理解しづらいかもしれない。DeFiプロトコルは非許可型システムを使い、融資や取引といった伝統的金融サービスを改善し、イノベーションをもたらそうとするものだ。

ホーガン氏は、DeFiが目指すところは、投資の考え方ときわめて親和性があると強調した。

「大半をファイナンシャル・アドバイザー、ファミリーオフィス、ヘッジファンドで占める我々の顧客にとって、パブリックブロックチェーン、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産(仮想通貨)のコアとなる考え方を理解することには、数カ月にわたる学習と議論が必要だった。だがDeFi(分散型金融)を支えるアイデアや伝統的金融をディスラプト(創造的破壊)する分散型アプリ(Dapp)の使い方はすぐに理解できる」

つまりは「きわめて初期段階で、まだ非常にリスクが高い」ソフトウェア投資のチャンスというDeFiの状況は、こうした投資家にとってはメリットになるとホーガン氏は語った。

ビットワイズのインデックスファンドはDeFiトークンにフォーカスしたもので、その基盤となるプロトコルに焦点を当てたものではない。同ファンドは、AAVEやUNIなどDeFi市場を代表するトークンを組み入れており、融資やデリバティブ、取引所トークンが含まれている。

組み入れられたDeFiトークンは現状、すべてイーサリアム上に構築されている。最近、イーサリアム・キラーと呼ばれる他の暗号資産が人気を集めているが、DeFi分野ではイーサリアムが依然として支配的であることを示している。

|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:ビットワイズの最高投資責任者マット・ホーガン氏(Joe Jenkins/CoinDesk archives)
|原文:DeFi Index Fund Is Bitwise’s Fastest Grower, With $32.5M in 2 Weeks: Hougan