リップル投資家の訴え、裁判所で退けられる──投資回収を巡って

リップル・ラボ(Ripple Labs)の資金面で最大の支援者の1社が、1億7500万ドル(約190億円)の投資を回収しようと試みたが、失敗に終わった。

リップルと米証券取引委員会(SEC)との裁判が進行する中、数十億ドルの資産を運用する資産運用会社、テトラゴン・フィナンシャル・グループ(Tetragon Financial Group)は、保有するリップル社株を現金化する求めを起こしていたが、デラウェア州の裁判所はその訴えを認めなかった。

イギリスに拠点を置くテトラゴンは1月、2019年に同社が主導したリップルの2億ドル(約217億円)の資金調達ラウンド(シリーズC)による自社保有分株式を現金化するために訴訟を起こしていた。同訴訟では、リップルによる支払いが完了するまで、同社の流動資産を凍結することも求められていた。デラウェア州衡平法裁判所の裁判官が3月5日に原告の訴えを退けたことで、リップルはそのような事態を免れたようだ。

リップルは当初から、同訴訟は価値のないものであると主張しており、SECが暗号資産のリップル(XRP)を証券とみなすと決定しない限り、テトラゴンの主張には根拠がないと述べていた。初期投資の条件では、XRPが証券と見なされた場合には、テトラゴンはリップル社の株式を現金化する権利があると規定されていた。

「SECが執行措置を届け出た後にも前にも、XRPは証券ではないという点は変わらない」と裁判所は述べたと、リップルのプレスリリースには引用されている。「一方で執行措置は、XRPは証券かどうかという疑問を提起している。その疑問にはいまだに答えが出ておらず、決定はまだなされていない」

届出の書類は当記事執筆時点では公開されていない。

「テトラゴンによる訴訟の正体は、SECによる訴訟に乗っかろうとする、便乗的な動きだ。これまでも常に明らかだった(そして今日さらに明らかとなった)ことは、SECはいまだに裁判で自らの主張の正当性を証明しようとしなければならないということだが、我々はそれが可能だとは考えていない」と、リップルはプレスリリースで述べた。

|翻訳:山口晶子
|編集:佐藤茂
|イメージ画像:Shutterstock
|原文:Ripple Investor’s Request to Reclaim Its $175M Investment Rejected by Court