ドージコインの模倣コイン、イーサリアムのブテリン氏に大量に送りつけられる

イーサリアムの生みの親であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、犬をテーマにしたミームコイン(ネット上で話題となることを意図したコイン)の開発者たちに、考えを改めるべきと伝えているようだ。

ブテリン氏は12日、Crypto Twitter(Twitterで暗号資産の情報を発信する人たち)の話題を集めた。ブロックチェーンのデータによると、ブテリン氏は、柴犬コイン(SHIB)、dogelon(ELON)、秋田犬(AKITA)、mwDOGE(mwDOGE)、OURSHIB(OSHIB)などの開発者から送られてきた大量のトークン(暗号資産)を他者に送っている。

例えば、ブテリン氏は、ポリゴン(Polygon)の創業者サンディープ・ネイルワル(Sandeep Nailwal)氏が3月に立ち上げた「India Covid Relief Fund」に50兆のSHIBトークン(当記事執筆時点では公称12億ドル相当)を寄付した。またデータサイトのEtherscanによると、約4億3100万ドル相当のAKITAトークンをイーサリアムベースの資金調達プラットフォーム「Gitcoin」に送っている。

India Covid Relief FundにSHIBトークンが送られたことを示す記録
出典:Etherscan

ミームコインの開発者らはここ数日、ブテリン氏に大量のトークンを送信している。WebメディアのCryptoSlateは10日、同氏のもとに一度に80億ドル以上に相当するSHIBトークンが送られてきたと伝えた。正確な意図はわからないが、おそらくブテリン氏のお墨付きを得ようとしているのだろう。

ドージコイン(DOGE)を真似たこうしたコインが突然、人気を集めていることでイーサリアムの取引手数料は急上昇している。

CoinMarketCapによると、SHIBはブテリン氏が送り始めてから約38%下落しているが、それでも時価総額は90億ドル(約9900億円)にのぼる。また過去24時間の取引高は70億ドルを超えている。

「ありがとう、ヴィタリック・ブテリン。
我々がイーサリアムとヴィタリック・ブテリンから学んだことは、コミュニティの重要性だ。
我々はいかなるコミュニティ、特にSHIBを含む個人投資家コミュニティを傷つけるようなことはしない。
責任を持って行動する!
SHIB保有者は心配しないでほしい」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Vitalik’s Regift of Unsolicited DOGE Knockoffs Sends Memecoin Prices Plunging