【市場動向】ビットコイン、イーサリアムが10%下落──短期では弱気相場が継続か

●ビットコイン(BTC)は13日21時(協定世界時・UTC=日本時間14日6時)現在、48,769ドル前後で取引され、過去24時間で10%下落。

●ビットコインの24時間レンジ:47,720ドル~54,781ドル(CoinDesk 20のデータ)。

●イーサリアム(ETH)は、3,651ドル前後で取引され、過去24時間で10%下落。

●イーサリアムの24時間レンジ:3,595ドル~4,243ドル(CoinDesk 20のデータ)。

ビットコインは底値をさぐる動き

出典 : TradingView

ビットコインは13日、UTC1時(日本時間13日10時)頃には47,720ドルまで下落した。10日移動平均と50日移動平均を下回り、テクニカル分析では弱気シグナルとなっている。

下落のファンダメンタルの理由の1つは、テスラだ。ビットコイン価格は過去2週間、きわめて限られたレンジで推移していたが、米電気自動車大手のテスラが12日、ビットコインマイニングの環境懸念を理由に購入時のビットコイン決済停止を発表したことで大きく値を下げた。

「残念なことは、弱気派や最近の買い手がイーロン・マスク氏をビットコインの予言者、権力者、決定者と見なしていることだ」と相対取引(OTC)トレーダーのヘンリック・クーゲルベルク(Henrik Kugelberg)氏は述べた。

ビットコイン価格は9日から17%下落しており、2月以来最悪の週パフォーマンスとなっている。

デルタエクスチェンジ(Delta Exchange)のCEO、パンカジ・バラニ(Pankaj Balani)氏はCEOは「ビットコインのチャート構造はきわめて弱く、上昇に向けた大きな要因はない」とコメントしている。

ボラティリティは上昇か

出典 : Skew

ビットコインのデリバティブ市場では、トレーダーがリスクヘッジを取る動きが減少しているようだ。フォーブスは13日、ビットコイン価格の下落に伴い、トレーダーがシカコ・マーカンタイル取引所(CME)のショートポジション(売り持ちポジション)を清算していると指摘した。

また、スキュー(Skew)のデータも、過去24時間に先物市場で大規模な清算があり、UTC12日22時(日本時間13日7時)頃には4億ドル以上のショートポジションが清算されたことを示している。

トレーダーはより頻繁なリスクヘッジを始めようとしているのかもしれない。例えば、デルタ・エクスチェンジのバラニ氏は暗号資産の先行きは不安定になると予想している。

「ビットコインとアルトコインの大規模な調整につながる明確なマイナス要因がある。ビットコインの重要なサポートレベルの崩壊を考えると、ビットコインとアルトコインのボラティリティは上昇するだろう」(バラニ氏)

イーサリアムは下落、DEXは盛況

出典 : TradingView

イーサリアムも10日移動平均と50日移動平均を下回り、テクニカル分析では弱気シグナルとなっている。

だが、イーサリアムには少なくとも1つ、長期的なファンダメンタルズのプラス要素がある。DeFi(分散型金融)だ。データサイトのデューン・アナリティクス(Dune Analytics)によると12日、DEX(分散型取引所)の取引高は過去1カ月で最大となった。いつものようにユニスワップ(Uniswap)が37億ドルの取引高でトップとなった。

出典:Dune Analytics

市場が低迷し、ボラティリティが上昇する可能性がある一方で、複数資産に対応した取引プラットフォームのeToroのアナリスト、サイモン・ピーターズ(Simon Peters)氏は、暗号資産のコアテクノロジーと、それが実現する価値に注目している。

「ビットコインやイーサリアムなど、多くの暗号資産の長期的ストーリーは変わっていない。この新しい資産クラスは、金融サービスの多くの局面に革命をもたらし続けている。何事も順調に進むわけではないが、暗号資産の長期的ファンダメンタルズは依然として堅調だ」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Falls for Second Straight Day After Tesla Action; Ether Follows