タイSEC、NFTやミームコインを規制──ユーザー保護を優先

タイの証券取引委員会(SEC)は11日、暗号資産分野で話題となっているタイプのトークンの取引を禁止すると発表した。具体的には、ミームトークン、ファントークン、ノンファンジブル・トークン(NFT)などで、SNS投稿で大きく値が動くような取引を抑制することが狙いだ。

暗号資産の取引を完全に禁止するわけではないが、タイSECは、一般の人たちのみならず、トレーダーも含めて、ユーザー保護の姿勢を優先したことになった。6月11日から以下のトークンはタイでの取引が禁止された。

ミームトークン:明確な目的や実体、裏付けがなく、価格がソーシャルでの話題に依存しているとタイSECは記述している。具体的な名前はあげられていないが、おそらくドージコイン(DOGE)のような暗号資産が該当するだろう。ドージコインの価格は、イーロン・マスク氏のような著名人の発言で大きく動いている。

ファントークン:プロスポーツチームなどが、ファン向けに発行するデジタル資産。

ノンファンジブル・トークン(NFT):今年、暗号資産分野で最も話題を集めているNFTは、NBAやMLBの選手カードから仮想空間の土地、さらにはデジタルスニーカーまで、唯一無二の有形・無形のアイテムを表すデジタル資産。

取引所トークン:バイナンス(Binance)やユニスワップ(Uniswap)、FTXなどの取引所が発行するトークン。保有者は取引手数料の割引などのメリットを得ることができる。

タイ国内の暗号資産取引所は規制の発効日から30日以内に、上場ルールを改定し、新規制に対応しなければならない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:タイの首都バンコク(Shutterstock)
|原文:No DOGE Allowed? Thai SEC Bans Meme, Fan and Exchange Tokens as Well as NFTs