FBIが仮想通貨取引所クアドリガCXを調査。被害者に情報提供求める

アメリカの複数の犯罪捜査機関が、現在は閉鎖されているカナダの仮想通貨取引所クアドリガCX(QuadrigaCX)を調査している。

FBIは6月3日(現地時間)にプレスリリースを公開し、FBI、内国歳入庁調査部(Internal Revenue Service’s Criminal Investigation division:IRS-CI)、コロンビア特別区司法長官事務局、司法省コンピューター犯罪・知的財産課が、創設者の死去と数カ月におよぶ民事再生手続の後に破産申請を行ったクアドリガCXの調査を進めていることを明らかにした。

FBIは、被害者を対象にした質問事項を公表し、個人を特定する情報、連絡先、そしてクアドリガCXのアカウントについての情報提供を求めた。

「ご自身のクアドリガCXアカウントについて、質問や懸念がある場合、もしくは被害者であると考えている場合は、以下の質問事項に回答してください」とプレスリリースは記し、さらに以下のように付け加えた。

「あなたの回答は任意だが、連邦捜査およびあなたを潜在的被害者と特定することに役に立つ。提供された回答に基づき、FBIから連絡を取り、追加情報の提供を求めることがある」

FBIとIRS-ICは、連邦犯罪の被害者に情報、支援、その他のリソースを提供することが法的に義務付けられている。

フォーチュンによると、FBIは少なくとも3月から王立カナダ騎馬警察(カナダの連邦警察)とともにクアドリガCXを調査している。

クアドリガCXの創設者兼CEOジェラルド・コットン(Gerald Cotten)氏は、同氏の未亡人ジェニファー・ロバートソン(Jennifer Robertson)氏によると、2018年12月、インドを旅行中に死亡した。

その1カ月後、クアドリガCXは債権者保護を申請し、大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)が管財人となった。同取引所は約1億3400万ドル相当の仮想通貨を保有していると言われたが、EYはその所在を確認することができなかった(誤ってアクセス不能なウォレットに送付された103ビットコインを除いて)。

2019年4月時点で、クアドリガCXの資産は約2100万ドル(通常の通貨を含む)、負債額は1億6000万ドルとEYは述べた。

4月、クアドリガCXは破産手続きを開始した

翻訳:Masaru Yamazaki
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:FBI logo image via Jonathan Weiss / Shutterstock
原文:The FBI Is Looking for QuadrigaCX Victims