「少しでいいから分けて」約660億円のハッキングにコメントする暗号資産ユーザー

DeFi(分散型金融)プロジェクトのPoly Networkがハッキングを受け、約6億ドル(約660億円)の暗号資産(仮想通貨)が流出した後、一部の暗号資産ユーザーは「ハッキングしたお金を少しでいいから分けて」とイーサリアムデータサイトEtherscanのコメント欄に書き込んでいる。

「私はいま、ひどい国に住んでいるので生活は大変。助けてくれないか?」

「現代のロビンフッドになって、ここにいる皆にエアドロップしてほしい!!」

新たな標的

DeFi人気がこの1年で急成長し、DeFiにロックされた暗号資産が17倍の約800億ドル(約8兆8000億円)になったことを受けて、DeFiはハッカーの標的になっている。

そして、ときに斜に構えた態度をとる暗号資産ユーザーは、明らかにハッキングに慣れてきている。そして、ハッカーを非難するのではなく、むしろ近づこうとしている。

「幸運を!」とあるユーザーは送金先アドレスとともに書き込んだ。「私のヒーロー!!!」とか「なんて賢い」と書いたユーザーもいる。

「どうか、ママの住宅ローンを支払っている私を助けて」「私たちの国では新型コロナウイルスがとても深刻な状態なので、マスクと酸素を手に入れるために少しだけ助けてください」というメッセージもあった。

「私がロンダリングしてあげよう」と書いたユーザーもいる。

もちろん、こうした書き込みの多くは悪ふざけやジョークだろうが、デジタルの偽名の世界では、見分けることが難しい場合もある。

Etherscanによると当記事執筆時点、ハッカーと見られる人物のイーサリアムアドレスには約9070万ドル(約100億円)に相当する2万8954ETHが存在している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Panhandlers Beg Poly Network Attacker for Share of $613M Haul