バドワイザー所有企業、「1億人の貧困解決」に取り組むスタートアップに出資

世界最大のビール会社で「バドワイザー」も所有するアンハイザー・ブッシュ・インベブ(Anheuser-Busch InBev、ABインベブ)は、ブロックチェーン技術で銀行口座を持たない労働者を支援する企業に出資した。

ブロックチェーン・アズ・ア・サービス(BaaS)スタートアップのバンキュー(BanQu)の発表によると、同社はシリーズAの追加ラウンドで、ABインベブ傘下のベンチャーキャピタル(VC)、ZXベンチャーズ(ZX Ventures)から、資金調達した。調達額は非公開。

バンキューは、自社のブロックチェーンプラットフォームを用いて、農家のような銀行口座の保有率が低い労働者とサプライチェーンの下流にいる企業や組織を直接つなぐ。

バンキューは、サービスを利用するユーザーが、同社が提携している銀行やモバイル・マネー・プロバイダを通して、MTNやエアテルなどの金融サービスを利用できるようになり、結果として財政状況の見通しが改善されるとしている。バンキューは、これまでに20万人以上を支援しており、2023年までには1億人を貧困から抜け出させることを目指すと述べている。

ABインベブとバンキューは、過去に提携して、ザンビアの農業従事者2000人をバンキューのモバイルプラットフォームにつなげるというパイロットプロジェクトを実施。後に、同プロジェクトは、ウガンダ、インド、ブラジル、コスタリカなどの国に拡大された。

ABインベブの最高持続可能性・調達責任者(Chief Sustanability and Procurement Officer)、トニー・ミリキン(Tony Milikin)氏は以下のようにコメントしている。

「バンキューは、過去に弊社のアクセラレータープログラム『100+アクセラレーター(100+ Accelerator)』で実施したパイロットプロジェクトで優れた結果を出しています。株式投資を通して、バンキュー共同創業者兼CEOのアシシュ・ガドニス(Ashish Gadnis)氏、共同創業者兼最高執行責任者(COO)のジェフ・カイザー(Jeff Keiser)氏、そしてチーム全員と提携を結ぶことができ、うれしいです。我々は、サービスが充実していない農村市場に身を置く何千もの農家が近代的なバンキングサービスにアクセスしやすくなるよう、協働しています。また、それと同時にインクルーシブ(包括的)な成長を推進し、弊社の『2025年持続可能な目標(2025 Sustainability Goal)』だけでなく、国連の『持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals=SDGs)』にも貢献していきます」

今回調達した資金は、既存のオペレーションを強固にし、年内に中国およびメキシコにサービスを展開するために使用されるとバンキューは述べた。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Budweiser image via Shutterstock
原文:Budweiser Owner Invests in Blockchain Startup Working to Alleviate Poverty