イーサリアム、1100億円を焼却──「ロンドン」から6週間

イーサリアム改善提案(EIP:Ethereum Improvement Proposal)1559は、8月4日に行われた大型アップデート「ロンドン」の中核であり、ガス代(取引手数料)を安定させ、イーサリアム(ETH)の経済的価値を強固にすることが目的だった。

アップデートから6週間、これまでに約29万7000イーサリアム(約10億ドル、約1100億円)の基本手数料が焼却され、供給量から取り除かれた。取引手数料は依然として史上最高水準に近いものの、変動幅は縮小している。

イーサリアムの取引手数料は、基本手数料と優先手数料の2種類で構成されている。基本手数料はユーザーが取引のために支払わなければならない必須のもの。一方、チップとも呼ばれる優先手数料はマイナーに取引を優先してもらうための、いわばインセンティブとして機能し、一部はマイナーの収益となる。基本手数料として使われたイーサリアムはすべて焼却(バーン)され、ネットワークから永久に取り除かれる。

焼却は、年間256万イーサリアムを取り除くペースで進んでおり、これは現在の価格で88億9000億ドル(約9700億円)、イーサリアムの時価総額の約2.2%に相当する。

イーサリアムの需要の高まりは、主にNFT(Non-Fungible Token、ノンファンジブル・トークン)の爆発的な拡大が要因。大手NFT市場のオープンシー(OpenSea)が支払った取引手数用は、これまでに4万2072イーサリアムの焼却につながっており、大手DeFi(分散型金融)プロジェクトのユニスワップ(Uniswap)や、人気NFTゲームのアクシー・インフィニティ(Axie Infinity)を上回っている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:アップデート「ロンドン」以降のイーサリアム価格推移(CoinDesk)
|原文:More Than $1B in ETH Has Been Burned Since Ethereum’s London Hard Fork