仮想通貨取引所バイナンス、アメリカ在住者を排除

世界最大の仮想通貨取引所、バイナンス(Binance)は、利用規約を改定し、規約に従えないユーザーを取り締まろうとしている。

バイナンスは2019年6月14日朝(現地時間)、ユーザーが同社の利用規約および顧客確認(KYC)手続きに従っているかを再調査しており、同社ポリシーに違反しているユーザーの入金および取引する権限をはく奪する予定だと発表した。

また、6月14日付で改定された利用規約には、「バイナンスはいかなるアメリカ在住者にもサービスを提供することができません」と記されていることも注目に値する。

今回の発表は、同社がアメリカに正式進出するにあたって、専用のプラットフォームを立ち上げると発表してから1日も経たないうちに行われた。同社は以前より、コンプライアンス技術開発企業、チェイナリシス(Chainalysis)やKYC・アンチマネーロンダリグ(AML)ツール開発企業、アイデンティティマインド(IdentityMind)など、さまざまな企業との提携を通じて、コンプライアンスとセキュリティー対策を強化していく姿勢を示していた。

バイナンスは、「プラットフォームのセキュリティーを向上させ、全世界のコンプライアンス要件を遵守するために、絶えずユーザーアカウントを再調査しています」と述べている。

また、以下のようにも付け加えている。

「結果として、一部のユーザーには、アカウント登録内容がバイナンスの利用規約に沿っているかを確認するために、証拠の提示を要求するかもしれません。残念ながら、バイナンスは、利用規約の違反が発覚した、もしくは利用規約に従うことができないユーザーにサービスを提供することができません」

同社によると、2019年7月12日付で、「バイナンスの利用規約に従っていないユーザーは、引き続きウォレットや資産にはアクセスできるが、バイナンス・ドット・コムでの取引や入金はできなくなる」。

バイナンスは今年1月、同社サービスの「利用禁止対象国リスト」に15カ国、およびニューヨークを含むアメリカの州6つを載せている。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Binance CEO Changpeng Zhao image via CoinDesk archives
原文:Crypto Exchange Binance.com to Block US Customers from Trading