「我々は異なるレベルに進む」エルサルバドル大使

ビットコイン(BTC)を法定通貨とし、「ビットコイン・シティ」の建設計画を発表したことで、エルサルバドルはビットコインのマインストリーム化において他国に先駆けており、アメリカをはじめとする国々にとって脅威となっているようだとエルサルバドルのミレナ・マヨルガ(Milena Mayorga)駐米大使は語った。

「多くの国が我々を注視」

マヨルガ大使は24日、CoinDesk TVのインタビューで「アメリカをはじめとする国々は懸念し、恐れている。なぜなら多くの国が我々を注視し、我々のリーダーシップに従うだろうから」と述べた。

9月、エルサルバドルはビットコインを法定通貨に認め、世界中の通貨当局に衝撃を与えた。加えて、ビットコインを経済の中心に置こうとする野心的なさまざまな計画は、アメリカの世界的影響力が弱まっていることを前提としている。

「ワシントンD.C.はドルのパワーが失われることを懸念しており、我々もその懸念は理解できる。だが、エルサルバドルは異なるレベルに進みたいと考えており、前進しなければならない」(マヨルガ大使)

エルサルバドルは自国通貨コロンが破綻した後、2001年に米ドルを法定通貨として採用した。

異なるレベルに進む

エルサルバドルの取り組みに対する懸念は広がっている。国際通貨基金(IMF)は23日、国内でのビットコイン使用への規制・監督を強化するようエルサルバドルに求め、ビットコインに伴う「重大なリスク」を指摘した。

エルサルバドルは来年も注目を集めるだろう。最近発表した「ビットコイン・シティ」では所得税、固定資産税、キャピタルゲイン税などを廃し、ビットコイン富裕層のメッカとするほか、ブロックストリーム(Blockstream)と提携してビットコイン債を発行し、10億ドルの調達を計画している。

エルサルバドルに続いて、ビットコインを法定通貨とする国はまだないが、多くの国がデジタル通貨について真剣に検討を始めている。例えば、隣国のホンジュラスとグアテマラは中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究を進めている。

これまでのところ、バイデン政権はエルサルバドルの取り組みについてコメントしていない。

「両国は会話すべきだが、我々は独立国であり、アメリカは我々の動きを受け入れ、我々が異なるレベルに進もうとしていることを理解しなければならない」とマヨルガ大使は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:エルサルバドルのマヨルガ駐米大使
|原文:Salvadoran Ambassador to US: Bitcoin Challenges Your Authority