「銀行口座付きグループチャット」からメインストリームへ──DAOの情報ポータル登場

自律分散型組織(DAO)のチェックは少し簡単になった。

暗号資産(仮想通貨)調査会社メッサーリ(Messari)は8日、「Messari Governor」の開始を発表した。DAOのガバナンスをチェックするためのプラットフォームだ。

DAOはいわば、リーダー不在のオンライン投資、あるいは組織。ジョークで「銀行口座付きグループチャット」と呼ばれる。

メッサーリのプラットフォームは絶好のタイミングで登場した。「DAO」の検索数は数年来の多さになっており、合衆国憲法の原本を購入しようとしたDAOの試みが失敗に終わったことや、イーロン・マスク氏の弟キンバル・マスク氏がチャリティ関連のDAOを作ったことなどで話題になっている。

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DAOは暗号資産にとってシステム上、重要なものにもなっている。DAOはDeFi(分散型金融)の預かり資産(TVL)2800億ドル(約32兆円)のうちの圧倒的な割合を運用しており、また暗号資産の時価総額約3兆ドル(約340兆円)に占める割合も増加している。

内部の把握は困難

だが注目の大きさにもかかわらず、DAO内部の動きを把握することはきわめて難しい。提案が検討されるディスカッションフォーラムは多くの場合、公開されておらず、重要な議論の多くはツイッターなどで行われている。

メッサーリのベン・オニール(Ben O’Neill)氏は、目標はユーザーが重要な情報をすぐに把握できるプラットフォームを作ることと語る。

「CoinMarketCapのようなウェブサイトでは、暗号資産のさまざまな情報を見ることができる。我々は(DAO)のガバナンスの状況を簡単にチェックできる場を作りたかった」(オニール氏)

メッサーリのリサーチチームは、DAOに新たな提案が投稿されるとプラットフォームに情報を追加し、重要性や提案の種類に応じてランク付けし、提案をコミュニティがどのように受け止めたかを評価する。

すでにプラットフォームは公開されており、情報は無料で提供されているが、暗号資産投資会社向けにプレミアムサービスを提供する計画だ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Messari Governor(スクリーンショット)
|原文:Messari Launches Governance Portal as DAOs Inch Toward Mainstream