タイムズスクエアのカウントダウン、今年はメタバースで

アメリカで最も華やかな伝統行事のひとつを支える不動産会社が、今年も新年を告げるイベントを開催する。ただし、今年の注目は「メタバース(仮想空間)」だ。

「ワン・タイムズスクエア」を所有する不動産会社ジェームズタウンは、ニューヨークの大晦日を象徴する26階建てのビルをメタバース「ディセントラランド(Decentraland)」に再現している。

同社は12月29日、ディセントラランドに早くから投資し、仮想通貨ディセントラランド(MANA)とメタバース内の土地を表すトークン「LAND」の大口保有者であるDigital Currency Group(DCG)とともに今回の計画を発表した。

ディセントラランドやザ・サンドボックス(The Sandbox)のような人気メタバース内のバーチャル不動産が高騰するなか、ジェームズタウンのようなリアルな世界の不動産開発業者の参入は注目すべきトレンドになる可能性がある。

不動産会社がメタバース進出

新型コロナウイルス感染拡大への対策として、リアルな世界でのタイムズスクエアのカウンドダウンイベントは、観客数をワクチン接種済みの1万5000人に限定して行われる。例年であれば約5万8000人が参加する。

バーチャルなワン・タイムズスクエアはディセントラランドの170区画を使い、ディセントラランド内で初の高層ビルとなる。

イベント予定地 (Jamestown/DCG)

プレスリリースによると、「MetaFest 2022」と名付けられたイベントでは、ノンファンジブル・トークン(NFT)アートのギャラリー、屋上のVIPラウンジ、音楽パフォーマンスなどが予定されている。バーチャル空間内の広告看板には、ニューヨークからのライブストリームを介して、実際の映像が表示される。

イベントの費用は明らかにされていないが、ジェームズタウンは今回の取り組みは同社の「より広範な暗号資産戦略」の一部と述べた。

「メタバースは、不動産と建築の環境の進化に重要な役割を果たす。リアルな不動産は地理的に近い人にほぼ限られてしまうが、メタバースは、世界中の人にアクセスを提供することができる」と同社マイケル・フィリップス(Michael Phillips)社長はプレスリリースで述べた。

ジェームズタウンのメタバースの取り組みは、ディセントラランドだけではない。同社はニューヨークを体験できる仮想空間アプリ「VNYE」にも進出している。

カウントダウンに使われるバーチャル・クリスタルボール (Jamestown/DCG)

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:2021年12月21日のタイムズスクエア(Shutterstock)
|原文:New Year’s Eve Party Comes to the Metaverse as Times Square Building Owner Enters Decentraland