自民党、Web3時代のNFT戦略でホワイトペーパー案を公表──ルール整備と規制緩和急ぐ

自民党デジタル社会推進本部 NFT政策検討PT(平将明PT座長)は3月30日、「NFTホワイトペーパー(案)Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略」を公表した。ルール整備や規制緩和を急ぎ、NFTビジネスの成長を促したい考えを明らかにした。

NFT(ノン・ファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アートやイラスト、写真、アニメ、ゲーム、動画などのコンテンツの固有性を証明することができる。NFTを利用した事業は世界的に拡大している。

Web3.0:Web3とも呼ばれ、ブロックチェーンなどのピアツーピア技術に基づく新しいインターネット構想で、Web2.0におけるデータの独占や改ざんの問題を解決する可能性があるとして注目されている。
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冒頭で、「Web3.0時代の到来は日本にとって大きなチャンス。しかし今のままでは必ず乗り遅れる」と指摘。NFTを、Web3.0時代の起爆剤として捉え、アニメやゲームといった国際的競争力を有する知的財産(IP)の活用を促進する。

ホワイトペーパーでは、NFTビジネス固有の論点だけでなく、決済手段となる暗号資産や、ブロックチェーンエコシステム全体のルール整備に向けた課題を挙げた。また、現時点で考えられる打ち手を提言している。

主なテーマは:

①国家戦略の策定・推進体制の構築
②NFTビジネスの発展に必要な施策
③コンテンツホルダーの権利保護に必要な施策
④利用者保護に必要な施策
⑤NFTビジネスを支えるブロックチェーンエコシステムの健全な育成に必要な施策
⑥社会法益の保護に必要な施策

総括として、「政策の失敗や悪影響を恐れるあまり、数十年に一度の将来の経済成長の芽を摘むようなことがあってはならない」とし、「新しい資本主義の柱となる新たなオープン・イノベーションの形を築く契機としたい」と締めくくった。

|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
|トップ画像:3月30日のNFT政策検討PT(平将明事務所提供)