【US市場】暗号資産市場は下落──弱い3月を終え、強い4月へ

暗号資産(仮想通貨)市場は31日、多くが下落した。

ビットコイン(BTC)は4万7000ドルを割ったが、テクニカル指標を見ると、4万3000ドル付近のサポートが下落を安定させる可能性があることを示している。

アルトコインはビットコインのパフォーマンスを下回った。ビットコインは24時間で3%下落したが、イーサリアム(ETH)は4%下落、あーべ(AAVE)は9%下落した。

S&P500も下落し、上昇は4日連続で止まった。ゴールドや米ドルなどの伝統的安全資産は上昇し、米国10年債利回りは29日の高水準2.5%から低下した。

だが現在の投機的資産全般の下落は限定的なものになるだろう。過去のデータを見ると、4月と5月は上昇傾向となっている。一方でマクロ経済的リスクと地政学的リスクは依然として続いているため、ボラティリティは上昇している。

最新価格

●ビットコイン:45,558ドル、-3.13%
●イーサリアム:3,286ドル、-3.25%

●S&P500:4,530、-1.56%
●ゴールド:1,942ドル、+0.41%
●米国10年債利回り:2.33%

年初からのビットコイン

ビットコインは、ボラティリティが高くなっているが、年初から現時点までS&P500を上回っている。だがIntoTheBlockのデータによると、リスク調整後のリターンでは過去30日、ビットコインはS&P500をわずかに下回っている。

ビットコインの株式との相関関係が高まっているため、一部の投資家にとっては分散投資が難しくなっている。さらに、国債や株式のリターンがマイナスとなったことで、投資家のリスク意欲は低下した。

ゴールドをはじめとするコモディティは過去3カ月、他の資産を上回っており、これはボラティリティおよびインフレ率の上昇時にしばしば見られることだ。

3月のCoinDesk 20

CoinDesk 20の3月のリターンを見ると、2016年にイーサリアム・ブロックチェーンから分岐したイーサリアムクラシック(ETC)が最も高いリターンを記録した。イーサリアムは15%上昇、ビットコインは9%上昇となった。

季節的に強い4月と5月

3月のビットコインのパフォーマンスは、季節的な平均を大きく上回った。3月は確率は低いものの、ビットコインにとっては弱い月となっている。その代わり、4月と5月は高い確率で強い月になっている。

下図の上は、ビットコインの過去9年の月別平均リターン、下はリターンがプラスとなる月別の確率を示している。

アルトコイン

世界初のイオス(EOS)ETP:Iconic Physical EOS ETPは、今後数週間のうちにヨーロッパの株式市場に上場し、取引が開始される。Iconic Fundsによると、このETPは投資家がヨーロッパの株式市場でイオス(EOS)に投資するためのシンプルでコスト効率の良い方法となるという。

BNYメロン、USDコインの準備資産を保管:アメリカで最も古い銀行の1つで、デジタル資産のカストディ(管理・保管)に早くから注力したBNYメロンが、USDコイン(USDC:米サークルが発行するステーブルコイン)の準備資産の主要カストディアンとなる。サークルが31日に発表した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:StockCharts
|原文:Market Wrap: Cryptos Slide Amid Higher Volatility; Returns Typically Strong in April