【US市場】ビットコイン、4万ドル割れ──株式との相関関係は上昇

ビットコイン(BTC)は11日も下落を続け、一時4万ドルを割り込んだ。日本時間12日9時30分時点では、3万9700ドル付近となっている。

投資家は、インフレおよび経済成長の鈍化について懸念する中で、株式や暗号資産をはじめとする投機的資産への投資を減らしているようだ。さらに米国10年債利回りは11日、2.78%と3年ぶりの高水準となった。

伝統的安全資産のゴールドは上昇し、株式市場のボラティリティ予想を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数は20を超えた。20を超えたのは2月初め以来。

暗号資産市場では11日、ほとんどのアルトコインがビットコインのパフォーマンスを下回った。イーサリアム(ETH)は24時間で8%下落した。ビットコインは6%下落。

最新価格

●ビットコイン:40,065ドル、-7.48%
●イーサリアム:3,011ドル、-8.67%

●S&P500:4,413、-1.69%
●ゴールド:1,957ドル、+0.79%
●米国10年債利回り:2.78%

キャピチュレーション(投げ売り)はまだ

ビットコインは下落傾向が続き、週末にはロングの清算が相次いだ。だがこの数週間のロングの清算は、特に3月上旬と比べれば、極端なレベルには至っていない。

ビットコインの清算高(CoinDesk, Coinglass)

ビットコインのスポット(現物)取引所での取引高はCoinDeskのデータによると、依然として低いまま。週末、ビットコインが7%下落したにもかかわらず、取引高は増加しなかった。

デリバティブ取引の一種であるビットコインの永久スワップ市場における買いと売りの取引高の比率(30日移動平均)は、1を下回り、ビットコインのトレーダーに弱気センチメントが広がっていることを示した。

ビットコイン永久スワップ市場の買い/売り比率(CoinDesk, CryptoQuant)

相関関係は上昇

Luna Foundation Guard(LFG)が約4万ビットコインを購入するなど、暗号資産に特有の動きが見られたにもかかわらず、ビットコインはこの1年間、株式市場の動きをほぼ追随してきた。

ビットコインとナスダック100の90日相関関係は過去最高レベルとなっている。相関関係はまだ比較的低いものの、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による下落時から上昇を続けている。

アドバイザリー会社のFundStratは11日のニュースレターで、マクロ状況の不確実性がLFGのビットコイン購入を上回る可能性があると記した。

「前回のLFGのビットコイン購入後、他の(トレーダーが)LFGに追随したため、ビットコイン価格は上昇した。しかし、今回の買いでは、価格は横ばいで推移しており、今週末の下落局面に対する買い意欲がやや低下していることを示している」

ビットコインとナスダックの相関関係(CoinDesk, Koyfin)

アルトコイン

イーサリアム、メインネットで初のシャドーフォーク:イーサリアムブロックチェーンは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行に向けて、メインネットで初のシャドーフォークを実施した。シャドーフォークは「同期と状態の成長についての仮定をストレステストするための方法」とイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の開発者、Parithosh Jayanthi氏はツイートした。

テラ(LUNA)、下落:テラ(LUNA)は、Luna Foundation Guard(LFG)が週末に1億7300万ドル相当のビットコインを追加購入し、保有高が約4万ビットコインに達したと伝えられたなか、8%下落した。LFGは新たに設立された非営利団体で、テラブロックチェーンのエコシステムを支えるために、ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の裏付け資産として100億ドル(約1兆2000億円)のビットコイン購入を進めている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk, Coinglass
|原文:Market Wrap: Bitcoin Sell-Off Deepens as Correlation With Stocks Rises