ビットコイン、9週連続下落を経て底打ちサイン

ビットコイン(BTC)は30日、アジア取引時間中に24時間で5.6%上昇して3万ドルを超え、ビットコイン史上初めてとなる9週連続の下落を記録したあと、回復のサインを示した。

ビットコインは先週、3月下旬の4万8160ドルから2万9600ドルまで下落していた。チャートでは、過去数週間に何度も試されてきた2万9000ドルが強力なサポートになっている。この水準を下回ると、ビットコインは2017年の高値である約2万ドルまで下落する可能性があるが、3万500ドル付近のレジスタンスは依然として存在し、日足がこのレベルを超えれば、回復の強いサインとなる。

相対力指数(RSI)は30近くまで下落し、底打ちのサインを示しており、短期的な買いが今週のモメンタムを後押しする可能性がある。先週のセンチメントデータはすでに、市場は今後数週間のうちに上昇に向かう可能性を示している。

出典:TradingView

「アメリカ市場は先週、株式が全面的に上昇し、緩やかな回復を見せた」とeToroのマーケットアナリスト、サイモン・ピータース(Simon Peters)氏はコメントした。

「暗号資産はまったく同じ回復は見られなかったが、ビットコインなどの主要暗号資産の価格は現在、安定しており、大口投資家の市場への新たなコミットメントが起こる前に、ある種の「静けさ」を示している」(ピータース氏)

中国でのコロナ規制緩和への期待

30日の上昇は、中国の主要都市が数カ月に及ぶ厳しい封鎖を経て、新型コロナウイルスに関する規制を緩和し始めたと伝えられたなかで、アジアの株式が上昇したことを背景にしている。トレーダーは、経済の回復が個人消費を促すこと、つまり今後数週間で企業の収益が回復し、アジアの株式は底打ちするかもしれないと考えた。

香港ハンセン指数は2.06%上昇、日経平均株価は2.19%上昇し、ストックス欧州600やドイツDAX指数などのヨーロッパの株価指数も30日の取引開始から少なくとも0.82%上昇した。アメリカの先物市場も上昇し、ナスダック100先物は1.44%、S&P500先物は1.08%上昇した。

しかし一部のアナリストは、ビットコインの回復には予想以上に時間がかかる可能性があると述べている。

「ビットコインが5月中旬以降のレジスタンスである3万600ドルを超えるまで、強気の反攻を語ることは時期尚早だろう」とFxProのシニア・マーケットアナリスト、アレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は述べた。

「グローバル市場におけるリスク指向の再燃は、好転の期待を煽っている」「株式と暗号資産の動きの乖離が先週際立ち、暗号資産市場の弱さが浮き彫りになった」とカプチケヴィッチ氏は警告した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Bitcoin Shows Signs of Bottoming Out After 9 Weeks of Losses