【US市場】ビットコインは21日も上昇、小型の暗号資産が好パフォーマンス

暗号資産市場は、ビットコイン(BTC)の52週ぶりの安値が引き起こした幅広い下落から3日後の21日(米東部時間)も上昇を続けた。

ビットコインとイーサリアム(ETH)はどちらも約5%上昇し、当記事執筆時点、ビットコインは2万1158.43ドル、イーサリアムは1146.41ドルとなっている。

株式市場も反発し、ナスダックは2.88%上昇、先週2020年以降で最悪の週となったS&P500は2.74%上昇した。

アーケーン・リサーチ(Arcane Research)のデータによると、ビットコインは先週、2021年5月以来で最も不安定な週となった。そのため21日の上昇はトレーダーにある程度の安心感をもたらすかもしれないが、多くの専門家は最悪の状況は終わっていないと警告している。

「景気後退が到来するか、そのリスクがなくなるまで弱気相場は終わらないだろう」と米モルガン・スタンレーは顧客向けメモに記した。

「短期的な反発かもしれない。長期的には、さらに下落する可能性があることを懸念している」とタトル・キャピタル・マネジメントのCEO兼最高投資責任者マシュー・タトル(Matthew Tuttle)氏はCoinDesk TVで語った。

時価総額が小さな暗号資産は今月、ビットコインよりも良いパフォーマンスを上げている。ただし、下落幅も大きい。アーケーン・リサーチのレポートによると、時価総額の小さな50の暗号資産のパフォーマンスを追跡する指数は27%下落。一方、35%下落のビットコインは6月、ほとんどの指数のパフォーマンスを下回っている。

「時価総額の小さな暗号資産がこれほど強いパフォーマンスを見せたのは久しぶり。下落相場で小型の暗号資産のパフォーマンスがビットコインを上回ることはきわめて珍しい」(アーケーン・リサーチ)

最新価格

●ビットコイン:21,156ドル、+5.45%
●イーサリアム:1,146ドル、+4.02%

●S&P500:3776.74、+2.77%
●ゴールド:1,834ドル、-%
●米国10年債利回り:3.31%

最大のビットコインETFから巨額の払い戻し

世界最大のビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)は17日、運用資産の半分を失った。これが19日の下落を悪化させた可能性がある。

パーパス・ビットコインETF(Purpose Bitcoin ETF)は17日、2万4510ビットコインの払い戻しがあり、2021年4月にカナダ証券取引所に上場して以来、最も厳しい償還額となった(アーケーン・リサーチのデータによる)。

「巨額の払い戻しは、大規模な清算での強制的な売りが原因となった可能性があり、2万4000ビットコインの売りは、週末の1万7600ドルに向けての下落を引き起こした可能性がある」

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アルトコイン

DeFi、不動産に進出:分散型金融(DeFi)で実世界の資産を扱うことに焦点をあてたスタートアップ、Teller Protocolは不動産に詳しいTower Fund Capitalと提携。不動産融資からの利回り提供を目指す。

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|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Crypto Rally Continues, Smaller Altcoins Outperform Bitcoin in June