6月の米消費者物価指数は9.1%上昇──ビットコインは一時1万9000ドルまで下落

6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同期比9.1%上昇となり、5月の8.6%から加速して40年ぶりの高水準となった。エコノミストの事前予想も上回った。

ビットコインは、CPI発表後の数分で4.2%下落し、1万9200ドル付近となった。FRB(米連邦準備理事会)はインフレ抑制のために積極的な金融引き締めを続けることになるとの憶測が広がっているようだ。

6月のCPIは、原油とガソリン価格が下落していることを考えると、ピークを表す結果になるかもしれない。

「最悪の状況は去ったことを示すようなポジティブなサインがあることは確か」と消費者の購買習慣を追跡するグローバルインサイト企業、アフィニティ・ソリューションズ(Affinity Solutions)の創業者兼CEO、ジョナサン・シルバー(Jonathan Silver)氏は述べた。

「雇用市場は依然として強く、人々のポケットにお金をもたらしている。だが物価上昇はまだ給与の上昇ペースを上回っている。インフレがピークに達し、勢いが弱まるにつれて、このトレンドが逆転することを期待している。我々の購買支出データは、我々がその方向に向かっていることを示している」(シルバー氏)

FRBの影響力

FRBの金融政策委員会であるFOMC(米連邦公開市場委員会)は7月26・27日に開催され、さらなる金融引き締めを議論する予定だ。FRBは現在、経済成長よりも物価安定を優先しているため、インフレ率の上昇はさらなる積極的な利上げの可能性につながる。

「行き過ぎのリスクはあるのだろうか? 確かにリスクはある。だがもっと大きな過ちは、物価安定の回復に失敗することだろう」とパウエルFRB議長は欧州中央銀行(ECB)のカンファレンスで述べた。

広く使われている定義によると、国内総生産(GDP)が2四半期連続で減速することは、アメリカが景気後退に陥ったことを意味する。だがFRBは強い労働市場は、経済が依然として非常に強いことを示していると指摘した。

「今後数カ月の消費は、新型コロナウイルス再流行の可能性、ロシアのウクライナ侵攻、サプライチェーンの問題が緩和されるかどうか、利上げが個人消費に与える影響など、さまざまな重要要因に左右されるだろう。夏が過ぎ、経済状況、ウクライナでの戦争、新型コロナについて、より明確な全体像が見えた後に何が起きるのか興味深い」とシルバー氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:US Inflation Gauge Jumps to Fresh 4-Decade High of 9.1%; Bitcoin Falls