ファーウェイCEO:中国政府がFacebookリブラの競合を生み出すべき

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のCEOは、中国政府がソーシャルメディア大手フェイスブック(Facebook)の仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」に対して、先手を打つ機が熟している、と述べた。

イタリアのニュースメディアL’economiaとのインタビューの中で、ファーウェイのCEO任正非(Ren Zhengfei)氏は、中国にはそのような取り組みを行う能力があると発言した。同氏は、アメリカの世界覇権とフェイスブックによる国際通貨の発行について質問されていた。

(翻訳によると)同氏は以下のように発言したとされている。

「中国だってそのような通貨を発行することは可能です。なぜリブラを待つ必要があるのでしょうか?国家の力はインターネット企業の力よりも偉大です」

任氏は、自身の会社とフェイスブックを直接競合させようとしているわけではなかった。ファーウェイは、ハイパーレジャー(Hyperledger)コンソーシアムへの参加や、ブロックチェーンに支えられたクラウドサービスのリリースなど、ブロックチェーン業界に大きく進出してきたが、同氏はむしろ、中国が国家としてもたらしたブロックチェーンテクノロジーの発展を指摘した。

中国の中央銀行である中国人民銀行は2019年5月、「大規模なトランザクション」を可能とするとして、分散型ネットワーク開発を強化するために、ブロックチェーン専門家を採用した。

また、中国人民銀行の一部関係者がリブラの導入は中国経済に負の影響を与える可能性があると述べている一方で、同行の研究部門責任者の王新(Wang Xin)氏は、競争によって中国が独自の国家仮想通貨を発行することが推進される可能性もある、と述べた。

実際、リブラの発表から数週間後、中国のソーシャルメディア大手、微博(ウェイボー)におけるリブラの検索数は急上昇した。フェイスブックが2009年以降中国で禁止されているにもかかわらずだ。

任氏の発言はイタリア語から翻訳されたものである。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:astudio / Shutterstock.com
原文:Huawei CEO Calls on China to Create a Rival to Facebook’s Libra Crypto