バイナンス、FTX買収に合意

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)はライバル取引所のFTXの買収に合意した。FTXとその姉妹企業アラメダ・リサーチ(Alameda Research)の流動性に対する懸念に関するこの数日の憶測は驚くべき結果となった。

買収は11月8日、ツイートによって明らかになった。今年始め、FTXの評価額は320億ドルに達していた。一方、バイナンスは取引高で世界最大級の取引所。買収条件は明らかになっていないが、FTXのアメリカ法人であるFTX.USは含まれていない。

バイナンスCEOのチャンポン・ジャオ氏もツイートで買収を認め、拘束力のない基本合意書を締結したと述べた。数日中にデューデリジェンスが行われるという。

今回の買収は、FTXの姉妹企業アラメダ・リサーチが、FTXのネイティブトークンであるFTXトークン(FTT)を大量に保有していることを伝えた先週のCoinDeskの記事がきっかけになった。FTXとアラメダはどちらもバンクマン-フリード氏が設立、その大部分を所有している。

一部の市場関係者は、このニュースを、アラメダの財務状況、ひいてはFTXの財務状況がこれまで考えられていたほど強固ではないことを示していると捉えた。

ニュースを受けてバイナンスのジャオ氏は6日、FTXトークンを売却する予定と述べて下落圧力を高めた。

「我々のFTTの清算は、テラ(LUNA)から学んだリスクマネジメントに過ぎない。我々は以前は(FTXを)支援していたが、離婚後も愛し合うふりをするつもりはない。いかなる人にも反対しない。だが陰で他の業界関係者に敵対するロビー活動を行うような人たちを支援しない」とジャオ氏はツイートしていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:FTX Agrees to Sell Itself to Rival Binance Amid Liquidity Scare at Crypto Exchange
※編集部より:本文を一部追加・修正して、更新しました。