Amazon、広告データ用ブロックチェーンのチーム構築へ

アマゾン(Amazon)は、広告事業の一部をブロックチェーンに統合しようとしている。

最近アマゾンが掲載した求人情報によると、同社は「ブロックチェーン台帳に重点を置く、広告フィンテックチーム」に参加するシニアソフトウエアエンジニアを探しているという。

この新しいチームは、多国籍にわたる財務データの透明性を提供するための請求・照合システムに注力する予定だと求人情報には書かれている。

「これは、ブロックチェーン技術を利用し、アマゾンの広告事業にとって未開拓な領域で、技術アーキテクチャの方向性を定義する機会だ」

詳細を尋ねられた際、アマゾンの広報担当者は「現時点で共有するものはない」と述べた。

アマゾンが広告にどのようなブロックチェーンを使おうとしているのかは不明だ。アマゾンのクラウド事業、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services=AWS)のブロックチェーンチームは、ブロックチェーン型データベースの「クオンタム・レジャー・データベース(Quantum Ledger Database=QLDB)」だけでなく、ハイパーレジャー・ファブリック(Hyperledger Fabric)やイーサリアム(Ethereum)を使用してブロックチェーンのネットワークを作れる「アマゾン・マネージド・ブロックチェーン(Amazon Managed Blockchain)」をこれまでに構築している。

お金を追跡する

アマゾンは、ブロックチェーンを使って、アドテック(adtech)の不透明で複雑なバリューチェーンを単純化しようとする多くの企業に仲間入りしようとしている。分散型台帳を使うことで、広告費の行き先を誰もが同様に理解でき、不一致を避けることができるようになるという考えだ。

仮想通貨ブロックチェーンが、どのアドレスがいつ、どの程度の金額を送受信したのかを示すのと同じように、アドテック台帳は、広告がどの程度掲載され、どの仲介者が手数料を取っているのかを追跡することができるだろうと考えられている。

アマゾンがブロックベースの広告照合プラットフォームを業界利用に向けて幅広く展開するかはまだわからない。しかし、同社には、社内でソリューションを開発し、より広範に提供してきた実績がある。

その一例が、中央管理型で、改ざん耐性を備えた台帳データベースである、AWSのQLDB。QLDBは、現在限定的なプレビューとして提供されている。

「アマゾンには、社内で開発したプロジェクトを一般に展開するという、非常に長く、健全な伝統がある」と、AWS マネージド・ブロックチェーンのゼネラルマネージャーであるラフル・パタック(Rahul Pathak)氏は、2019年5月にCoinDeskが主催したカンファレンス、Consensus2019で述べている。

翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:AWS’ Rahul Pathak at Consensus 2019 image via CoinDesk archives
原文:Amazon Is Looking for an Engineer to Put Advertising Data on a Blockchain