インド洋の島国セーシェルでトークン化証券が上場

インド洋の島国セーシェル共和国の証券取引所に、取引可能なトークン化証券が上場した。

セーシェルの金融サービス機構(Financial Services Authority)から、証券取引所、清算機構、証券集中保管機関(CSD)としての認可を受けている証券取引所MERJは、自社の株式を表すトークンをローンチする。

CoinDeskの取材に対してMERJは、上場後、年内にトークン化された株式の16%を公開する予定だ、と述べた。同社はまた、「いくつかの企業」と、それらの会社の株式をトークン化し、MERJに上場させる可能性について協議している。

MERJのCEO、エドモンド・トゥーイ(Edmond Tuohy)氏は、次のように述べた。

「MERJは、世界初の証券トークン上場を実現するために、自社のエンド・ツー・エンドエコシステムをフル活用しました。デジタル資産の成長を促すために、我々は従来の世界と新しい世界の最も優れた部分を組み合わせて、そのインフラに欠けていた重要なパーツを提供します」

MERJはCoinDeskに対して、株式登録所有権を記録するためにイーサリアムブロックチェーンを使用しているとし、現在は「イーサリアムブロックチェーンがそのような目的のために最もサポートされているプロトコルだ」と述べた。

MERJのトークン化証券は、同社の上場株式ページで見ることができる。ティッカーシンボル「MERJ-S」の下、2.42ドル(約256円)で取引され、時価総額は2101万5781ドル(約22億2346万円)とされている。

より広範な取り組みとしてMERJは、ブロックチェーン技術を利用することで、発行、株主登録、コンプライアンス、分配、投票を含む、多くの証券市場のプロセスを効率化し、投資家や発行者のコストを削減する計画も立てている。

「この技術は、資本市場へのアクセスポイントを作ってくれます。それは、多くの新興市場における『モバイルファースト』のエコシステムに特に適したものです」と、同社は述べた。

2013年創業のMERJは、証券取引所、清算機構、CSDとして認可を受けていることで、「トークン化の多くの利点を実現する」のに有利な立場にいる、と述べた。

「発行するものがトークン化証券でも、従来の株式であったとしても、企業は高い国際的基準を満たさない法域に進出を望むことはありません。世界の規制当局からのより厳しい監視の目を引きつけることになるなるからです」と、トゥーイ氏は語り、次のように続けた。「自国の規制当局と3年にわたって協働し、上場環境で分散型台帳技術(DLT)の利点を活用することを望む株式発行者たちのために、健全で規則に準拠した枠組みを築き上げました」

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Eden, Seychelles, image via Shutterstock
原文:National Stock Exchange Becomes World’s First to List a Tokenized Security