「価値を失ったNFT」を収集する目的、アスターが新会社Startale Labs設立【12/24~1/6のトップニュース】

「アンセラブル(Unsellable)」は、売却価値のない、売れ残ったNFTを即座に流動化し、NFT投資家に損失を確定するための手軽な方法を提供している──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

NFT価格を吊り上げるウォッシュトレード、4兆円以上か:調査

ウォッシュトレード(取引の買い手と売り手が同一だったり、買い手と売り手が共謀したりする市場操作の一種)が、NFT市場を悩ませ続けていることは周知の事実。しかも、Dune Analyticsの最近レポートにより、問題はより深刻化している。

匿名リサーチャーのhildobbyが12月16日に発表した分析によると、2022年のイーサリアムブロックチェーンでのNFT取引高の半分以上(58%)をウォッシュトレードが占めた。1月が最も多く、取引高の80%以上を占めたという。

暗号資産取引所OKX、2回目のプルーフ・オブ・リザーブ公開──今後は毎月22日公開

暗号資産(仮想通貨)取引所のOKXが、2回目のプルーフ・オブ・リザーブを公開し、同取引所が顧客の引き出しに対応できる十分な資産を持っていることを示した。

12月22日に公開されたプルーフ・オブ・リザーブには、12月20日時点で、ユーザー保有残高の11万2192ビットコイン(BTC)に対して、OKXはウォレットに11万3754ビットコインを保有していることが示されている。

北米を冬の嵐が襲い、マイニング事業者はパワーダウン──電力網の維持を支援

Winter Storm
(janeb13/Pixabay)

猛烈な冬の嵐が北米を襲った週末、全米のマイニング事業者(マイナー)はパワーダウンした。

ブロックチェーン上の演算能力を示すビットコイン(BTC)のマイニングハッシュレートは、12月21日から24日の間に約100エクサハッシュ/秒(EH/s)、約40%低下して、156EH/sになったことがBTC.comのデータに示されている。その後、12月25日には約250EH/sまで戻った。

バンクマン-フリード元CEOの裁判の「ゲームチェンジャー」とは

法律事務所Akin Groupのパートナー、イアン・マッギンリー氏は12月27日、CoinDesk TVに出演、アラメダ・リサーチ元CEOのキャロライン・エリソン氏と、FTX共同創業者のゲイリー・ワン氏が有罪を認めたことは、現在複数の刑事告発を受けているFTX元CEOのサム・バンクマン-フリード氏に対する裁判にとって「ゲームチェンジャー」と語った。

「今、2人のインサイダー、つまり、おそらくこの事件で問題となっているすべての重要な瞬間に彼と一緒にいた人物は『我々は他の人、おそらくサム・バンクマン-フリード氏と共謀し、意図的に何か悪いことを行った』と述べている」

米司法省、FTX破綻直後の約4億ドルの不正流出を捜査:報道

米司法省は、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが破産を申請したその夜に、ウォレットから約4億ドル(約540億円)が流出したハッキングについて捜査を開始した。ブルームバーグが12月27日、関係者の言葉を引用して伝えた。

アルゴ・ブロックチェーン、米ナスダックでの取引を24時間停止

英ビットコイン(BTC)マイニング事業者のアルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain)は12月27日、米ナスダックでの取引を24時間停止するよう要請したと発表した。イギリス市場は27日は休み。

NECが「web3コミュニティ」──共創パートナーを2023年4月から募集

NECは12月27日、プライバシー保護とデータ利活用が両立した安全で安心なWeb3の実現に向けて、「web3コミュニティ」を開設すると発表した。共創パートナーとなる企業の募集を2023年4月から開始する。

「web3コミュニティ」は以下3つのサブテーマを掲げ、NECと共創パートナー企業が共同でユースケースの創出を行うことを目的としているという。

クラーケン・ジャパン、事業撤退を決定

暗号資産取引所のクラーケン・ジャパンを運営するPayward Asia株式会社は12月28日、来年1月31日をもって日本での事業の停止と金融庁登録の暗号資産交換業の廃止を決定したと明らかにした。

中国、初の国家NFTマーケットプレイスを開設──1月1日に記念式典

中国は、国が支援する初のNFTマーケットプレイスを立ち上げる。暗号資産(仮想通貨)に対する厳しい規制のなか、NFTにも法的にグレーな部分が多いがNFTを受け入れるサインといえる。1月1日、首都・北京で開設を祝う式典が開催される。

バハマ規制当局、FTX子会社から押収した35億ドルを保有

(Royal Bahamas Police Force)

バハマ証券委員会は、FTXが破産申請を行った直後にバハマにある子会社の資産を差し押さえ、35億ドル(約4600億円)以上(11月12日時点で)の資産を保有しているという。同委員会が12月29日遅く、リリースを発表した。

FTX Japan、2月中旬に出金再開予定

FTX Japanは12月29日、法定通貨の出金および暗号資産の出庫を2023年2月中旬に再開する予定と発表した。ユーザーから預かっている資産を買収したLiquid Japanを通じて出金・出庫できるようにするという。

「価値を失ったNFT」を収集するサービス、その狙いは?

2021年のブームの後、NFT取引の盛り上がりは沈静化した。暗号資産(仮想通貨)価格は大幅に低迷し、NFTに対するメインストリームの関心も薄れ、NFT価格は下落した。

しかし、長引く「暗号資産の冬」の中で、前向きな取り組みも生まれている。その1つが、タックス・ロス・ハーベスティング(tax-loss harvesting)──NFT愛好家がもはや価値のなくなったNFTを売却して損失を確定して収入を減らし、税金を減らすことをサポートするサービスだ。

イーサリアムネームサービス、2022年は過去最高280万超のドメイン登録

イーサリアムネームサービス(Ethereum Name Service:ENS)は2022年、一部トレーダーがドメインを投資対象にしたため、過去最高の登録数を記録した。

ENSは、インターネットのDNS(ドメインネームシステム)が数字で表されるWebサイトのアドレスを「coindesk.com」のような覚えやすい名前に置き換えるように、暗号資産ウォレットの複雑で長い英数字を「abc.eth」のような名前に置き換えるサービス。

バイナンス、ビットコインのスポット取引高シェア92%:リサーチ

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のビットコイン(BTC)のスポット取引高の市場シェアは、2022年末までに92%まで上昇した。アーケーン・リサーチ(Arcane Research)のデータで判明した。

2022年初めは45%だったが、6月に取引手数料を廃止したこと、そして11月にライバルのFTXが崩壊したことで、多くのユーザーがバイナンスに移行した。

2人の著名NFTコレクター、数十万ドル相当のNFTを奪われる

著名なNFTコレクター2人がウォレットをハッキングされ、数十点の高い価値を持つNFTを奪われた。

1人はNFTコレクターのCryptoNovo氏で、ハッキングされたと1月3日にツイートしている。もう1人は、現在はナイキ(Nike)が所有するNFTプロジェクトであるRTFKTのCOO(最高執行責任者)ニクヒル・ゴパラニ(Nikhil Gopalani)氏。

シルバーゲート、従業員40%を削減──ディエム資産を使ったデジタル通貨発行も中止

暗号資産に特化した銀行であるシルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)は、全従業員の40%にあたる約200人の削減を1月5日、SEC(米証券取引委員会)への提出書類で明らかにした。このニュースを受け、同社の株価は46%下落、11.76ドル付近となった。

同社はまた、デジタル通貨の発行計画を中止し、メタ(Meta、旧フェイスブック)からディエム協会(Diem Association)の技術や資産を購入するために費やした1億9600万ドル(約260億円)を損金処理した。

ジェネシス、さらに30%の人員削減

暗号資産のレンディングやトレーディングを手がけるジェネシス・グローバル・トレーディング(Genesis Global Trading)は、さらなる人員削減を行った。同社広報担当者が1月5日、CoinDeskに宛てた文書で認めた。

本件に詳しい関係者によると、従業員の約30%を削減したという。同社は2022年8月、260人の従業員の20%を削減している。営業部門と事業開発部門が特に大きな打撃を受けたと同氏は付け加えた。

メタバースは必須:米マイクロソフト幹部

米マイクロソフトの最高戦略責任者ヘンリー・ブゼイ(Henry Bzeih)氏が1月5日、ラスベガスで始まった世界最大規模のテクノロジー見本市「CES」の会場に設置されたCoinDesk TVの特設スタジオに生出演。世界がよりデジタルに向かっていくなか、消費者と企業の関係では(リアルとデジタルの)ハイブリッドモデルが将来の主流になる可能性が高いと述べた。

渡辺創太氏のアスター、Web3事業開発・コンサルティングを提供開始──新会社Startale Labs設立

(Astar Network)

渡辺創太氏が率いるパブリックブロックチェーンの「アスターネットワーク(Astar Network)」が、Dapps(分散型アプリ)やインフラの開発、大企業へのWeb3事業コンサルティングの提供を開始する。そのための新会社「Startale Labs」を設立したと1月5日、発表した。

フォビトークン、11%下落──レイオフや社内問題が伝えられる

暗号資産(仮想通貨)取引所フォビ(Huobi)が大幅な人員削減を行い、従業員に給与をステーブルコインで受け取ることを求め、反発を抑えるために内部スタッフ用のコミュニケーションチャンネルを閉じているという情報が伝えられ、フォビの独自トークンと取引高に打撃を与えている。

CoinGeckoのデータによると、フォビトークン(HT)は24時間で約11%下落し、東アジア時間1月6日午前の時点で4.67ドル付近。過去1カ月では約30%下落している。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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