Facebook「リブラ」公聴会に参加した法律専門家の見解

「一度解き放たれてしまったものを、なかったことにすることはできません」

リブラに関する公聴会開催時にCoinDeskがワシントンDCで主催した独占イベントにて、コロンビア・ロー・スクール(Columbia Law School)の比較法学教授、キャサリーナ・ピストー(Katharina Pistor)氏は、このように述べた。ピストー氏は、フェイスブック(Facebook)の「リブラ(Libra)」のような企業トークンの導入に対して慎重な姿勢を示しているように見受けられる世界における、企業トークンの合法性と重要性について語った。

ピストー氏は2019年7月17日(現地時間)、米下院金融サービス委員会の公聴会にて「フェイスブックのリブラは、既存の法定通貨を補完する新しいグローバル通貨になるように設計されており、営利目的型の通貨として作られています」と述べた。

ピストー氏は、リブラのガバナンスモデルを指して「この権力の集中は、誰に対する意味のあるアカウンタビリティーにも釣り合わない」と表現した。しかし、それは言葉の響きほど恐ろしいものではない。

その後、CoinDeskが主催した質疑応答の中で同氏は、リブラが可能となるのは、法定通貨を支えている既存のインフラのおかげだ、と説明した。リブラはその「裏付け資産の50%を短期国債や銀行預金で」用意しようとしており、短期国債や銀行預金が「その背後にあるアメリカ合衆国に対する完全な信頼」と評判によって守られている事実を利用することとなる。「(フェイスブックは)アメリカなしにこれ(リブラ)を実現することはできません」

その合理化されていて「エレガント」なデザインのために、リブラは「多くの物事を排除できる可能性があります。はるかに安くなり得る可能性があり、多くの利用者にとって、単純にずっと良いシステムとなる可能性もあります」と、同氏は述べた。究極的には同氏の疑問は、「中央銀行がより魅力的なものを実際に提供できるかどうか」ということになる。

「本当に重要な問題は、公共の機関ではなく、民間の企業を通して行うことの利点はなんなのかということだと思います」と、同氏は述べた。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
原文:Legal Expert Katharina Pistor Weighs in on Facebook’s Libra