ビットコイン、2万2000ドルを回復──米CPIは予想を上回る

ビットコイン(BTC)は、14日発表された1月の米消費者物価指数(CPI)が予想ほど鈍化しなかったにもかかわらず、2万2000ドルを超えた。24時間では3%以上の上昇。

ステーブルコインとFRB(米連邦準備制度理事会)のインフレ対策に対する投資家の懸念が高まるなか、過去5日は2万2000ドルを割って推移していた。

1月の米CPIは前月比は、12月の0.1%上昇から、0.5%上昇となり、エコノミストの予想と一致した。だが前年比では、12月の6.5%上昇に対して6.4%上昇、予想の6.2%を上回り、インフレが予想ほど鈍化していないことを示した。コアCPI(変動の大きな食品とエネルギーを除いたもの)は、前年比5.6%。前月の5.7%から低下したものの、予想の5.5%を上回った。

こうした数字は、FRBが次のFOMC(米連邦公開市場委員会)でさらなる利上げを視野に入れ、タカ派的な姿勢を維持する可能性を示した。CME FedWatchによると、約90%のトレーダーが3月のFOMCで0.25%の利上げが行われると予想している。

「市場はFRBの引き締めをもう少し織り込んでいるかもしれないが、現状の暗号資産にそれほど重荷にはなっていない。規制と(FTX破綻などの)波及リスクは今月、ビットコインを圧迫していたので、下落の動きは潜在的に尽きていた」とオアンダ(Oanda)のシニア・マーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は14日のメモに記した。

イーサリアム(ETH)は、約5%上昇して1550ドルを超え、ここ数日の損失を取り戻した。暗号資産市場全体のパフォーマンスを測定するCoinDesk Market Indexは、3.7%上昇。

株式市場はまちまちで、S&P500は0.1%上昇、ダウ平均は0.2%下落、ナスダックは0.6%上昇した。

BitBull Capitalのジョー・ディパスクァーレCEOは、CPI発表後の上昇分が今週末までに失われても驚かないだろうと語った。同氏は、CPI発表後にこれまでも暗号資産が上昇しているが、「その後の数日間に下落する」と強調した。ディパスクァーレ氏は、ビットコインは2万ドル、イーサリアムは1250ドルを試すと予想していると述べた。

Dexterity Capitalのマネージングパートナー、マイケル・サファイ(Michael Safai)氏は、暗号資産市場では現在、規制の方がインフレ懸念より勝っていると指摘した。

「規制が暗号資産のセンチメントに大きな影響を与えることが迅速化しているため、インフレデータとFRBの会合は暗号資産価格に2022年のような影響を与えなくなっている」(サファイ氏)

STORM Partnersのマネージングパートナー、シェラーズ・アーメド(Sheraz Ahmed)氏は、ビットコインの最近の下落と火曜日の反発は「比較的穏やかで、それぞれ数百ドルのみ」だったと語った。

「ここ数カ月で最も穏やかなCPI発表となった。12月のCPIは鈍化し、一部、1月の暗号資産の上昇を招いたが、今日のCPIは予想外の結果となり、市場はより予測不可能になるかもしれない」(アーメド氏)

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Rebounds Above $22K After Tepid Inflation Readings