Facebook「リブラ」に対する米議員の疑念、スイスでの会談後も払拭されず

フェイスブック(Facebook)の仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」に対する懸念は、スイスの規制当局との会談後も残っている、と会談に参加した米議員は述べた。リブラの運営・開発を目的に設立されたリブラ協会(Libra Association)は、スイスを拠点としている。

米下院金融サービス委員会委員長である、民主党のマキシン・ウォーターズ下院議員(カリフォルニア州)は、スイス規制当局との会談後も「大手テクノロジー企業による、民間で運営される新たな世界通貨の発行を認めること」に対する疑念は晴れなかった、と2019年8月25日(現地時間)に発表された声明の中で述べた。

一方で、会談は「フェイスブックの計画の現状、複雑さ、規模を理解するのに役立つ」ものだった、とウォーターズ議員は付け加えた。

「私は、我々の議会代表団を継続し、マネーロンダリング、そして委員会の管轄下にあるその他の問題を検討し続けたいと思う」

先週、ウォーターズ議員に率いられ、下院金融サービス委員会から6人の議員が、フェイスブックのリブラ計画について議論する目的でスイスに出向き、国際金融問題局(SIF)、連邦データ保護情報コミッショナー(FDPIC)、金融市場監督局(FINMA)の関係者、およびスイスの議員らと会合を開いた

ウォーターズ議員は、今回の声明を発表する数日前に、2019年秋のスケジュールを公開している。スケジュールの中で同議員は、リブラおよびフェイスブックの子会社カリブラ(Calibra)が開発したウォレットサービスの調査を継続することを約束した。

ウォーターズ議員はフェイスブックが今年6月にリブラを発表して以来、同計画に対して批判的。同氏はCNBCに出演した際に、リブラの開発の「一時停止」を求めている

翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:U.S. Representative Maxine Waters image via Shutterstock
原文:Switzerland Meetings Didn’t Clear US Lawmaker’s Doubts on Facebook’s Libra