ビットコイン、ボラティリティと取引高が引き続き減少

ビットコイン(BTC)の取引レンジは下落傾向が続いており、見通しの不確実性がまだ残っていることを示している。同時に、ドミナンス(暗号資産市場全体に占めるビットコインの時価総額の割合)は上昇し続けており、投資家にとってビットコインが依然として安全な暗号資産であることを示している。

ボラティリティを示すビットコインのアベレージ・トゥルー・レンジ(ATR)は直近4日間で12%下落、3月23日以降では31%下落している。ATRの下落はボラティリティの縮小を、増加はボラティリティの拡大を示す。

ある資産の取引レンジの縮小は、市場がその資産の価格を適切とみなしている可能性を示す。しかし、取引高が減少している状況では、市場参加者が不確実性を感じている可能性もある。ビットコインの取引高は依然として取引所全体で30日間平均を約30%下回っている。

ボラティリティの低下と同時に、取引所に入金されるステーブルコインの総量も減少している。ATRの低下が示すように、ビットコインが狭いレンジ内で取引されている背景には、暗号資産の購入に利用できるリスク資本の減少と見通しの不確実性がある。

ビットコインの当記事執筆時点の価格は2万7000ドル。高ボリューム・ノード(取引高が多く、売り買いが拮抗した価格帯)を約4.5%下回り、短期的には上昇余地がある。

高ボリューム・ノードを見るには、可視範囲出来高インジケーターを使う。売り買いの拮抗が強いほど型通りの値動きとなる可能性が高いため、高ボリューム・ノード付近では価格の動きがスローになる傾向がある。一方、低ボリューム・ノードは流動性の低さから大きな価格変動が生じる可能性がある。

ビットコインネットワーク上のアクティブアドレスの減少にも注目したい。ビットコインを活発に取引しているアドレス数は4月以降、33%減少しており、ボラティリティ低下の一因となっている。

ボラティリティが低下する一方で、ビットコインの市場シェアは増加し、ドミナンスは年初から5%上昇した。ビットコインの時価総額は5230億ドルで、暗号資産全体の時価総額1兆6000億ドルの45%を占める。

ビットコイン価格が年初から63%上昇したにもかかわらず、投資家はよりマイナーなアルトコインにさらなる利益を求めることに消極的で、代わりにビットコインを暗号資産市場における安全資産として利用しているようだ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林 理南
|画像:TradingView
|原文:Bitcoin Volatility and Trading Volume Continue to Decline