ビットコイン、2万6500ドル割れ──米債務上限問題が重荷

ビットコイン(BTC)は2万6440ドル付近、過去24時間で約3%下落、5月12日以来の低水準に近づいた。この間、米債務上限問題や、規制とマクロ経済の不確実性が続くなか、市場は低調な取引高とボラティリティに悩まされてきた。24日までビットコインは、2万6500ドルから2万7500ドルのレンジにとどまっていた。

フィンテック・プラットフォームのYouHodlerのマーケット責任者、ルスラン・リエンカ(Ruslan Lienkha)氏は「金融市場の緊張の高まり」が株式とデジタル資産に打撃を与えているとCoinDeskにメールで述べた。

「アメリカのデフォルト(債務不履行)の可能性に対する懸念が高まり、株価指数は売り圧力にさらされている。当局が何らかの合意に達するまでの猶予はあと10日ほどしかないが、交渉に進展はまだ見られない。こうした不確実性によって、金融機関は資産を再編成し、デフォルトの可能性に備えることを余儀なくされ、金融市場にさらなる圧力をかけている」(リエンカ氏)

イーサリアム(ETH)は1808ドル付近、24時間で約2.6%下落。ライトコイン(LTC)は5.2%以上、ソラナ(SOL)は3.6%以上下落し、大部分の主要暗号資産はほぼ下落となった。

暗号資産市場のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は2.8%下落。CoinDesk Bitcoin Trend Indicatorは、下落トレンドを示し、投資家の楽観的な考え方が後退していることを示している。多くのアナリストは、新たな要因が見られるまでビットコインは動かないと考えている。

主要株価指数も24日、同様に苦戦し、ナスダック、S&P500、ダウ工業平均のすべてが1%以上下落し、少なくとも一時的に株式と暗号資産の相関関係を回復させまた。この2つの資産クラスはここ数カ月、相関関係が低下していたが、イエレン財務長官が、債務上限の合意がなければ政府は「資金不足に陥る」可能性があると今月3回目の警告を発し、すべての資産に打撃を与えたようだ。

24日朝、イギリスの4月の消費者物価指数(CPI)は、予想の6.2%を上回る6.8%上昇となり、1992年以来最も高い数値となったことを受けて、暗号資産市場は下落した。想定外の数値となったCPIは、イギリスの中央銀行の利上げ継続の可能性を示し、暗号資産市場には落胆が広がった。

「The Crypto Trader」の著者、グレン・グッドマン(Glen Goodman)氏は、CoinDesk TVのインタビューで、ビットコインは最近、伝統的な安全資産であるゴールドとの相関関係をより維持していると指摘。しかし、ビットコインには、投資家の意思決定につながる一貫したモチベーションが依然として欠けていると続けた。

「誰もが目標を持つべき理由はまだ見つかっておらず、むしろ多くの理由が見つかっている。唯一の問題は、人々が1つの主要なストーリーにまとまっていないこと。私たちは、ドルの暴落など、世界経済に降りかかる何らかの災害のようなイベントを待っている。そうすれば、もちろん、皆が1つのストーリにまとまるだろう」

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin’s Doldrums Below $26.5K Endure as Investors Weigh Debt Ceiling Stalemate, Latest FOMC Minutes