米中貿易戦争により、中国人投資家はビットコインへと避難か:ブルームバーグ報道

中国人民元は、アメリカとの間に続く貿易戦争などの要因によって下落し続けている。そんな中、中国の投資家がますます資産をビットコインへと移していることを示唆するデータがある。

ブルームバーグの価格分析によると、人民元とビットコインの逆相関はここ7日間、過去最大を記録した。

中国政府はこれまで、人民元相場が1ドル=7人民元の水準を下回らないようにしてきたが、2019年8月に約10年ぶりの人民元安を容認した。これは、8月初旬にトランプ米大統領が中国からの輸入品に10%の関税を課すと脅しをかけたことに対する反応と報じられている。

人民元の下落によって、中国人投資家らがビットコインに避難してきているということを支持する取引所のデータもある。ブルームバーグは、仮想通貨ウォレットを提供するブロックチェーン(Blockchain)社のリサーチディレクターで、CoinDeskの寄稿者でもあるガリック・ハイルマン(Garrick Hileman)氏に取材を行った。ハイルマン氏は、フォビ(Fuobi)のような、主に中国人投資家を対象とする取引所において、ビットコインが他の取引所よりも高値で取引されていることがある、と述べた。

「米中の貿易関係の悪化によって緊張が高まる中」4月と5月にもビットコインと人民元の間には逆相関が見られたと、ハイルマン氏は語っている。

先日、中国のデジタル通貨に関する新たな詳細が明らかになった。中国人民銀行(中央銀行)の新しいデジタル通貨責任者は、ローンチ間近のデジタル人民元は、ソーシャルメディア大手のフェイスブック(Facebook)による仮想通貨リブラ(Libra)にはない機能を備えている、と明かした。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Donald Trump image via Shutterstock
原文:Trump’s Trade War May Be Driving Chinese Investors to Bitcoin