北朝鮮、2度目の仮想通貨カンファレンス開催で開放性の誇示へ

北朝鮮は、仮想通貨およびブロックチェーンに関するカンファレンスを2020年2月に開催する予定。

北朝鮮がこのようなカンファレンスを開催するのは今回で2回目。1回目は2019年の4月に開かれ、その際は100人が参加した。当時、北朝鮮は1回目のカンファレンスを成功とうたい、より大きなカンファレンスの開催を約束した。

2度目のカンファレンスはスペインの朝鮮親善協会がスポンサーを務め、北朝鮮の対外文化連絡委員会によって企画される。カンファレンスの公式ウェブサイトによると、「時価総額上位10種の仮想通貨」が技術面での協力を行うとされているが、それが正確に何を意味するのかは定かではない。

最初のカンファレンスと同様に、規制は緩められるようだ。アメリカ国民も歓迎され、カンファレンスにはデジタル端末の持ち込みも可能。インターネットへのアクセスも提供される。

カンファレンスは、金正恩朝鮮労働党委員長が2016年に平壌に設立した、原子の形を模した奇妙な施設「科学技術センター」で、2月24~25日にかけて開催される。26日には非公開のビジネスミーティングが開かれる可能性もある。

北朝鮮は、およそ20億ドル(約2160億円)相当の仮想通貨を盗み、大量破壊兵器開発に利用しているとされている。韓国や日本の取引所が標的になっていたことが判明しており、ユーザーのアカウントに侵入する手段として、フィッシングメールが利用されていた。

より全般的には、仮想通貨がその国境を持たない性質により、貿易や金融取引への制約を迂回する目的で北朝鮮に使われる可能性が懸念されている。

このカンファレンスには、北朝鮮が仮想通貨分野で発展を遂げるのに役立つ可能性があるだけでなく、開放的な雰囲気を発信しつつも、欧米諸国に警告を送るというプロパガンダとしての価値もあるのかもしれない。

カンファレンスは北朝鮮が観光を促進する遠回しな方法でもある。2020年のカンファレンスには、主体思想塔ツアーから2日間のスキー旅行に至るまで、大掛かりな旅程が組み込まれている。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Image via Shutterstock.
原文:North Korea to Hold Its Second Crypto Conference, Telegraphing Openness