EU初の仮想通貨ベンチマーク・ライセンス承認 ―― CMEにビットコインインデックスを提供するCFベンチマーク「Brexit後も大丈夫」

CFベンチマーク(CF Benchmark)は、仮想通貨インデックスを提供する企業としては初めて、EUベンチマーク規則(European Benchmarks Regulation = EU BMR)のもとでベンチマーク・アドミニストレーターとして認定された。

イギリスの金融行動監視機構(FCA)は2019年9月13日(現地時間)、CFベンチマークをアドミニストレーターとして承認し、BMRが完全施行される2020年1月1日(現地時間)以降、金融機関が同社のインデックスをあらゆるヨーロッパの金融商品に利用することができると認めた。

同社CEO、スイ・チャン(Sui Chung)氏はCoinDeskに対し、今回の承認は、仮想通貨企業としてはEUで初となると述べた。同社は、先物・オプション取引市場であるCMEグループ(CME Group)がビットコイン先物契約に利用するインデックスを提供していることで知られる。

「ヨーロッパでは、インデックスの利用や提供は規制を受けます。そのため、規制を受けるヨーロッパ企業は例外なく、ベンチマークを用いるとなったら、規制を受けた企業により提供されたものでなければなりません」と、同氏は説明した。

EUにおける金融機関向けベンチマークの規制範囲は「非常に幅広い」と同氏は述べ、大手銀行や資産運用会社がインデックスを利用する目的は多岐にわたると指摘した。

「それら多岐にわたる目的は、規制要件の範囲にすべて含まれており、そして2020年の1月に規制は完全に施行されるのです」と同氏は語る。

例えば、インデックスに連動した上場投資信託(ETF)を発行したいファンドマネージャーは、規制を受けたインデックスに連動させなければならない。

チャン氏は次の通りに述べた。

「規制を受ける企業は多く存在し、それらの企業が仮想通貨インデックスに連動する商品の発行を検討したい場合には、潜在的な障害がありました。(規制を受けたインデックスを利用していると)2020年1月1日に訴求したいかどうかはっきりさせる必要があったからです」

同氏は、現段階では特定の企業名を挙げることはできないが、同社インデックスに連動する商品を向こう数カ月の内にローンチすること関心を持つ複数の企業から連絡を受けた、と述べた。

さらにCFベンチマークは、イギリスがこれから数カ月の間にEU離脱をすることになっても、今回のライセンスを維持すると同氏は語る。

「EU離脱の場合にも、この特定の金融規制はイギリスとEUの間で同等の地位を持つものです」

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Business miniatures image via Shutterstock
原文:CME’s Bitcoin Index Provider Wins First EU Crypto Benchmark License