Facebook「カリブラ」トップ、中央銀行にリブラは通貨主権を脅かさないと強調 ― 仏大臣の「脅威」発言を受けて

計画中の仮想通貨リブラ(Libra)のデジタルウォレットを含む金融サービスを提供するために、フェイスブック(Facebook)によって創設された事業体である、「カリブラ(Calibra)」の責任者が、このプロジェクトが各国の「通貨主権」を脅かすものであるという当局からの主張を受けて発言した。

2019年9月16日(現地時間)のツイッター(Twitter)スレッドで、リブラの共同制作者デビッド・マーカス(David Marcus)氏は、フランスのブリュノ・ル・メール(Bruno Le Maire)経済財務相の言説に代表されるこうした見解が「誤りであることを証明」したいと述べた。

ル・メール経済財務相は、2019年9月12日(現地時間)に、リブラについて「国家の下にある通貨主権が脅かされている」と述べ、さらにEUにおけるそのプロジェクト開発を阻止するとほのめかした。

マーカス氏は、リブラは「強力な通貨バスケットと1:1で連動している。つまり、いかなるリブラのユニットも、リザーブに同等の価値を有していなければならない」と述べた。そのため、リブラは新たな貨幣を生み出すことはない。この機能は「主権国家の領域であり続ける」と同氏は述べた。

さらに同氏は、リブラが各国通貨を利用した「より良い」決済ネットワークとして構築されつつあり、「世界中の消費者に意味のある価値を提供する」と述べた。

しかし、同氏は規制当局の注目を歓迎し、次のように述べた。

「我々は、強力な規制機関による監視は、リブラ協会(Libra Association)が完全な1:1の連動という約束から逸脱することを防ぐ上で望ましいものだと信じている」

同氏の発言は、欧州中央銀行 (ECB)、米連邦準備制度理事会 (FRB)、イングランド銀行など26の中央銀行がスイスで集まり、リブラ協会(Libra Association) にプロジェクトの範囲と設計について質問した際に出されたものである。

その中で、同氏は「リブラの設計と運用を通じて、各国の懸念に確実に対処できるよう、各国の中央銀行、規制当局、立法府」との協力を続けることも約束した。

翻訳:新井朝子
編集:T.Minamoto
写真:David Marcus image via CoinDesk archives
原文:Facebook’s David Marcus Responds to Critics Over Libra ‘Threat’