ドイツ銀行がJPモルガンの仮想通貨決済ネットワークに加盟

米銀行大手JPモルガン(JPMorgan)によるブロックチェーンベース決済の取り組みに、ドイツ銀行(Deutsche Bank)が新加入した。

ドイツ銀行の加入によって、銀行間送金ネットワーク「インターバンク・インフォメーション・ネットワーク(IIN)」に加盟する銀行の数は320行になる、と9月15日(現地時間)にフィナンシャル・タイムズ(Financial Times)が報じた

2017年10月に発表されたIINは、JPモルガンが開発したイーサリアムベースのブロックチェーンネットワークであるクォーラム(Quorum)上に構築されており、JPMコイン(JPM Coin)と呼ばれるステーブルコインを採用している。当時、JPモルガンは、銀行間決済の遅延を解消する際に掛かる時間とコストを、このプラットフォームが大幅に削減するだろうと語っていた。

6月には、JPモルガンの取引銀行に対する試験送金の開始をIINは見届けている。

フィナンシャル・タイムズの記事によると、メンバー銀行の多くが、米ドル決済の処理にJPモルガンを利用している。一方で、ドイツ銀行はユーロ建て決済の清算を、世界で最も多く取り扱っている。

JPモルガンのトレジャリー・サービス部門でマネージングディレクターを務めるタキス・ジョーガコポウロス(Takis Georgakopoulos)氏は、もしIINがJPモルガンの顧客プールからのみによって構成されると「自ずと非常に大きな壁にぶつかる」だろうから、ドイツ銀行の加入は「普及の面で助けになるだろう」とフィナンシャル・タイムズに対して語った。

ドイツ銀行のキャッシュ・マネジメント部門グローバルヘッドであるオーレ・マティーセン(Ole Matthiessen)氏は、IINは決済に関する全てのデータを分散台帳に記録することで効率化し、それにより、問題のある決済をより早く、そして手作業をより少なくして解決可能にすると述べた。

同銀行は最近になって投信銀行部門を縮小し、現在は、よりトランザクション・バンキングに重きを置いており、マティーセン氏は、IINへの加盟が同銀行の経費削減と顧客へのより良いサービス提供への「重要な一歩」だと語った。

2019年末までにメンバーを400にするというIINの計画は順調に進行中で、他の大手銀行も近々、加入を発表するだろう、とマティーセン氏は付け加えた。

翻訳:石田麻衣子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Deutsche Bank Joins JPMorgan’s Crypto Payments Network