衛星にシグネチャーを搭載 ── 欧州宇宙機関、衛星プロジェクトに再び投資

ブロックチェーンスタートアップのスペースチェーン(SpaceChain)は欧州宇宙機関(European Space Agency:ESA)から6万ユーロ(約700万円)の補助金を獲得、衛星ベースのブロックチェーンウォレットシステムの使用事例の調査を行う。

2019年9月18日(現地時間)の同社発表によると、補助金はESAの「キックスタート・アクティビティ」ファンドからのもので、高度なセキュリティとマルチシグネチャー機能を備えた分散型衛星ネットワークを軌道に送り込むというスペースチェーンの取り組みを後押しする。

同社は3つのシグネチャーを用いるシステムを使用、3つのうち2つは地上で、1つは衛星に搭載され、軌道上で使われる。トランザクション完了のためには、最低2つのシグネチャーが必要となる。

スペースチェーンの共同創業者兼CEOのジー・ツェン(Zee Zheng)氏は、衛星ベースのノードはデータとプロトコルを衛星にダイレクトにアップリンクすることによって、オープンなインターネット上で展開される地球上でのネットワーク処理よりもはるかに安全とCoinDeskに語った。

「こうしたトランザクションのためにインターネットにアクセスする必要はない。ハッキングに関する多くの潜在的リスクを排除できる」と同氏。

「我々が対象としているのは昨年、10億ドルの仮想通貨が盗まれた市場。我々のシステムならハッカーにとって、状況は比べものにならないほど困難になる」

ツェン氏は、ESAからの補助金は仮想通貨コミュニティーにとって、ブロックチェーンの宇宙での展開を知る機会になると述べた。同氏は、セキュリティー上の利点に対する開発者の高い関心を指摘した。

「我々は、この機会を宇宙がいかにブロックチェーンに利益をもたらすかを示すことに使いたい」

スペースチェーンは今後18カ月で3度の衛星打ち上げを計画している。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Space image via Shutterstock
原文:European Space Agency Backs Blockchain Satellite Projectm