楽天、テンセント、フィデリティが20億円出資のブロックチェーン企業──過去にはマスターカードのアクセラレータプログラムにも参加

ブロックチェーンを利用した原産地追跡プラットフォームを提供するスタートアップ、エバーレッジャー(Everledger)は、インターネット企業大手テンセント(Tencent)の主導したシリーズAラウンドで、2,000万ドル(約21億5400万円)の資金を調達した。

2019年9月23日(現地時間)付の声明の中でエバーレッジャーは、出資に際する合意の一部として、テンセントが取締役会に参加することになったと述べた。今回の資金調達ラウンドには、ブルームバーグ・ベータ(Bloomberg Beta)、楽天、フィデリティ(Fidelity)、グラフェン・ベンチャーズ(Graphene Ventures)、ヴィッカーズ・ベンチャー・パートナーズ(Vickers Venture Partners)も参加した。

イギリスを拠点とするエバーレッジャーは、ブロックチェーンを利用してダイアモンドが真正かどうかを認証するプラットフォームとして出発し、その後鉱物、高級品、ワイン、芸術作品などの、原産地や透明性が非常に重要となる他の分野にも業務を拡大していった。同社は2016年には、クレジットカード大手のマスターカード(Mastercard)が運営するアクセレレータープログラムに参加している。

同社創業者兼CEOのリアン・ケンプ(Leanne Kemp)氏は、声明の中で次のように語った。

「本日の発表は、エバーレッジャーを築き上げ続けていく中、弊社の業界での勢いに弾みをつけつつ、弊社のグローバル市場へのコミットメントを強化します。このように強力な投資家陣が、弊社の発展において今の段階から加わってくれることは、弊社がこれまでに見せたイノベーションの意義を証明し、将来の方向性を物語ってくれています」

同氏はまた、エバーレッジャーがブロックチェーンによるダイアモンド追跡用のウィーチャット・ミニ・プログラム(WeChat Mini Program)をローンチする予定だと述べた。このサービスは、ウィーチャットユーザーが「より透明性とセキュリティを伴ってジュエリーを購入」できるようにするという。

テンセントをパートナーとしたエバーレッジャーは、この関係が同社の中国での存在感を高めてくれるだろうと同氏は胸を張る。

エバーレッジャーを支援する理由についてテンセントの最高戦略責任者ジェームズ・ミッチェル(James Mitchell)氏は、「エバーレッジャーによるブロックチェーン技術のアプリケーションは、顧客への価値を高め、業界全体の企業に対するリスクを減らします」と述べた。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Leanne Kemp image via CoinDesk archives
原文:Tencent, Fidelity Back $20 Million Round for Blockchain Firm Everledger