中央銀行デジタル通貨は2〜3年後、INGチーフエコノミストが予測

オランダの銀行「ING」のチーフエコノミストは、2〜3年で「本格的な」デジタル通貨が中央銀行によって開発されるだろうと述べた。

2019年9月27日(現地時間)に公開されたINGの動画の中で、マーク・クリフェマイト(Mark Cliffemight)氏はフェイスブック(Facebook)が主導する仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」は金融当局にプレッシャーを与えていると語った。リブラのローンチが2020年に予定されるなか、中央銀行もそのタイムラインに合わせて動かなければ「ならないだろう」と述べた。

「政策を担う人々はすでに、ある種の危機感を持っていると思う」と同氏は付け加えた。

中央銀行にとってのメリットについてクリフェマイト氏は、銀行はデジタル通貨によって物理的な現金を置き換えることができ、その結果として「金利のマイナス領域にさらに向かう」ことができると説明した。

「さまざまな政策の選択肢の扉を開く」と同時に、将来の不況において経済活動を支える他の方法を提供すると同氏は述べた。

リブラが中央銀行に、より真剣にデジタル通貨を検討することを促している兆候はすでに出ている。

フランスのブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)仏経済・財務相は9月半ば、EU(欧州連合)でリブラを阻止する計画を立てていると述べた。また、同氏はECB(欧州中央銀行)のマリオ・ドラギ(Mario Draghi)総裁と、10月末にドラギ氏の後任として総裁に就任するクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)氏とともに「パブリック・デジタル通貨」の作成について議論したことも明らかにした。

もちろん、中国は先頭を走っている。中国もリブラによってデジタル人民元の開発を急がされている。中国人民銀行は、デジタル人民元はほとんどローンチの準備が整っていると示唆した。だが、11月という報道は否定した。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:ING image via Shutterstock
原文:ING’s Chief Economist Predicts Central Bank Digital Currencies in 2-3 Years