Facebook「リブラ」を妨げるつもりはない:スイス規制当局トップが発言

ヨーロッパにおける規制の番人らはフェイスブック(Facebook)の仮想通貨「リブラ(Libra)」に対して厄介なものだという信号を送っているが、スイスはいまだ耳を傾けようとしている。

2019年10月1日(現地時間)のロイター報道によると、スイスの金融規制機関であるスイス連邦金融市場監督機構(FINMA)の代表者、マーク・ブランソン(Mark Branson)氏は「 我々はこのようなプロジェクトを不可能にするためにここにいるわけではない」と語った。

「我々はオープンな気持ちで、同じリスクには同じだけの規制を必要とするという姿勢で、彼らに応える」とブランソン氏はチューリッヒのブルームバーグ(Bloomberg)のイベントにて語った。

この声明は、フランスのブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)仏経済・財務相が仮想通貨プロジェクトを非難した後に出されたものだ。ステーブルコインが国家通貨を不安定にするという潜在的脅威に言及して、ルメール氏は「ヨーロッパにおいてリブラの開発を許可することはできない」と述べた。

スイスは長らく仮想通貨開発の中心地である。同国は、ジュネーブを拠点としながらリブラプロジェクトを運営管理するリブラ協会(Libra Association)を含め700以上のブロックチェーン企業の本拠地となっている。

スイスの「規制と基準は絶対的で譲歩できないもの」としたうえで、ブランソン氏はリブラが「透明性を持って行われているべきものだ」と述べた。

加えて、同氏は以下のように続けた。

「私がより心配なのは、どこかの金融システムの薄暗い隅で開発され、仮想空間を通して広がり、ある日もう止められないほどに大きくなってしまうことのほうだ」

翻訳:下和田 里咲
編集:T.Minamoto
写真:Swiss flag image via Shutterstock
原文:Swiss Regulator FINMA Won’t Impede Libra’s Development