ビットコイン先物を見限るには早すぎる——ウォール街のアナリストが投資家に伝える

ビットコイン(bitcoin)の先物市場はがっかりするほどのスロースタートであったが、バックト(Bakkt)に見切りを付けるのは早すぎるとオッペンハイマー・ホールディングス(Oppenheimer & Co)のアナリストが語った。

2019年10月1日(現地時間)の調査報告書で、エクイティ調査会社である同社は投資家に対して、バックトのパッとしない取引量について「動揺しないよう」提言した。一つには、親会社であるインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange=ICE)は債券の分析やトレード、抵当権や上場投資信託 (ETFs)など、その他多くの電子化に関する取り組みを抱えているからだとオッペンハイマーのシニア・アナリストのオウン・ラウ(Own Lau)氏と最高責任者のChris Kotowski氏は記している。

アナリストによると、バックトで取引が開始となって最初の5日間は1取引それぞれ1ビットコインであり、平均すると先物取引量は1日125契約だった。これは2017年のシカゴ・オプション取引所(CBOE)でのビットコイン先物のデビュー時と比べて見劣る。CBOEでは最初の1か月で4,000契約、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)ではそれぞれ5ビットコインの契約が500件、合計で2,500ビットコインであった。

これら2つのシカゴの取引所でのビットコイン先物取引は、基本的に現金で支払われる原資産価格の方向でのサイド・ベット(side-bets)あるが、バックトはそれとは異なり、現物ビットコインで決済される。

「現時点ではバックトのビットコイン先物取引が成功するかどうか、またその取引量が将来増えるかどうかについて判断をするつもりはない」と報告書にはある。「仮想通貨愛好者以外にビットコインや他のデジタル資産が大規模に取り入れられるにはまだ長い道のりがあることは認識している。しかしバックトの最初のビットコイン先物取引量が当初の期待値に達していないようであることを過小評価もしない」

この報告書ではまた、CBOEの初月の日次平均量が減少したために今年7月のビットコイン先物の上場中止につながった一方で、CMEの日次平均量は7月に7,000件まで増加したと指摘している。

アナリストは続けて、ビットコインは大衆の支持を得るデジタル通貨ではないかもしれず、CMEとICEは適切なインフラを持つデジタル資産の出現に備えているとしている。こういった代替金融商品に対していまだ興味が持たれているという証拠として、CMEは第一四半期にビットコイン・オプションをリリースする予定であると、この調査会社は指摘している。

翻訳:下和田 里咲
編集:T.Minamoto
写真:ICE chairman and CEO Jeffrey Sprecher image via CoinDesk archives.
原文:It’s Too Soon to Write Off Bakkt, Wall Street Analyst Tells ICE Investors