オックスフォード英語辞典に「サトシ」が追加に

オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)は、自社が出版する英語辞典であるオックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)に「サトシ」を加えた。

初めて使われてから7年も経っておらず、このたび辞典に加えられた言葉の中でサトシが最も新しい。この高名な辞典のデータベースは四半期ごとにアップデートされており、今回の追加はその一環で、他にも「マンハッタンヘンジ(Manhattanhenge)」、「ワッテヴス(whatevs)」、過去の使われ方とは異なる「フェイク・ニュース(fake news)」などの言葉が追加されている。

オックスフォード英語辞典によって今や公式となった定義によると、サトシは「ビットコイン(bitcoin)のデジタル決済システム上の最小通貨単位で、1ビットコインの小数点第8位に等しい」つまり0.00000001ビットコインに等しい。

オックスフォード英語辞典の編集者は、言語に対し記述的な手法をとっている、つまり辞典はどのように言葉が発生、成長、もしくは衰退し、そして時間の経過とともに定義が変わるのかを観察している。

オックスフォード英語辞典の方針には以下のように記されている:

「我々の役割は新たに発生した語彙をモニターすることであり、それにより、新語の影響力が増すや否や、辞書をお使いの皆様に新しい用語を提供することができます」

サトシの例文として、2012年、ニュースグループのユースネット(Usenet)によるリップル・プロジェクト(Ripple Project)、2013年のガーディアン(Guardian)、2017年のタイムズ(Times)の文章が挙げられている。

オックスフォード英語辞典は、アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いについて注記している。アメリカ英語ではSatoshiの「o」を、footの発音である「ʊ」と発音し、一方、太平洋を挟んだイギリス英語ではlotの発音である「ɒ」と発音する。

サトシはビットコインのクリエーター(もしくはクリエーター達)の「おそらく偽名」であるサトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)という固有名詞から派生している。関連して言うと、ナカモトは後から続いた単語である派生語だ。

興味深いことに、文法の権威であるオックスフォード英語辞典は、ビットコインの計画について初めて言及されたウェブサイト上で生年月日を求められた際のこの謎めいた創設者が残した唯一の足跡を引き合いに出し、ナカモトは「1975年生まれと言われている」と記している。

翻訳:石田麻衣子
編集:T.Minamoto
写真:Dictionary image via Pixeljoy/Shutterstock
原文:‘Satoshi’ Enters the Oxford English Dictionary