CFTC、フィンテック・ブロックチェーンリサーチラボを本格的な局へと格上げ

米商品先物取引委員会(CFTC)は、その金融テクノロジーリサーチ部門「ラボCFTC(LabCFTC)」を格上げする。

CFTCは、ラボCFTCがヒース・ターバート(Heath Tarbert)CFTC委員長直下でCFTC内での独立した局となると発表した。ラボCFTCは、ブロックチェーンや仮想通貨ツールを含む新しい金融テクノロジーをリサーチするCFTCの下部組織としての役割を継続する。

ターバート委員長はCoinDeskに共有された事前準備済みのコメントの中で、ラボCFTCは2017年の創設以来、CFTCの法務部門の管轄であったと述べた。

「新しい地位においてもラボCFTCは、国内、国外のイノベーション双方に重点を置き続けます」とターバート委員長は述べた。ラボCFTCの役割には、新しいテクノロジーについてCFTC職員に最新情報を提供すること、CFTCが執行・市場操作防止の任務において利用することのできる技術的ツールを導入すること、業界参加者からの意見を集め続けることなどが含まれる。

プレスリリースによれば、ラボCFTCは元々、ブロックチェーンやデジタル資産、その他の金融テクノロジー開発の「足がかり」となるために立ち上げられた。ラボCFTCは立ち上げ以来、スマートコントラクトに関する教則本や仮想通貨イーサリアムの情報提供リクエストなどを発表してきた。

ラボCFTCはかつて、すでに退任しているダニエル・ゴーフィン(Daniel Gorfine)氏が率い、現在は、ソフトウェア企業インテュイット(Intuit)でグローバル公共政策担当ディレクターを務めたメリッサ・ネトラム(Melissa Netram)氏が指揮している。

ラボCFTCは、CFTCがこれらの新しい商品向けの規制を整備していく中、「より大きな役割を担い」続けていく。

ターバート氏はコメントの中で、「CFTCのビジョンは、安定したデリバティブ規制の国際基準となるというものです」と述べ、次のように続けた。

「私はCFTCが、それらのテクノロジーがいかに現在の規制構造に収まるかを特定する役に立つ資源となることを望んでいます。ラボCFTCの成功が示されたため、CFTC内での地位を固めたいと考えています。CFTCでさらに大きな役割を担い、この先何年も、おそらく何十年にもわたってイノベーションとの必要不可欠な結びつきとなるでしょう」

ラボCFTCは10月24日(現地時間)、その取り組みの一環として、人工知能と金融市場でのその役割についての読本を、新しいツールについての進行中の教材シリーズの一部として発表した。

そこでは人工知能を定義し、この分野における歴史的取り組みを概説し、人工知能がCFTCと、商品デリバティブ市場監督というCFTCの任務にどのように役に立つ可能性があるかを指摘している。

ネトラム氏は声明の中で、「進歩は規制当局が金融イノベーションにどれだけ上手く対応するかにかかっている」と述べた。

ラボCFTCは新しいツールを評価する「最前線」にある、とネトラム氏は述べた。特に人工知能は、CFTCが監督するデリバティブ市場改善の一助になる可能性がある。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Heath Tarbert testifies before the Senate Banking Committee, May 2017 
原文:CFTC Makes Its Fintech, Blockchain Research Lab a Full-Fledged Office