マイニング大手Canaan Creative、3度目の正直なるか? アメリカで4億ドル規模のIPOを申請

カナン・クリエイティブ(Canaan Creative:嘉楠耘智信息科技)──ビットコインマイニング装置「アヴァロン(Avalon)」を手がける、世界最大級のマイニング装置メーカー──はまた新たな上場申請を行った。今回、上場を目指す場所はアメリカだ。

2019年10月28日(現地時間)にSEC(米証券取引委員会)に提出されたカナン・クリエイティブのIPO目論見書には、ナスダック(NASDAQ)への上場を目指し、ティッカーはCAN、資金調達の設定額は4億ドル(約435億円)と記されていた。IPOの最終的な調達額、評価額、売り出し価格は現時点では不明だ。

申請書によると、2019年6月30日までの収入は4210万ドル、4580万ドルの損失となった。前年同期の収入は2億7500万ドル、2500万ドルの利益をあげた。

また2018年の収入は3億9410万ドル、純利益は830万ドル。2018年の下半期にビットコイン価格が6000ドル超から約3000ドルまで下落し、多くのビットコインマイナーは利益を出せなくなったことが大きな原因だ。特に2018年下半期は1670万ドルの純損失となった。

今回の申請は上場を目指すカナンにとって3度目の試み。初回は中国本土、2回目は香港でどちらも市場の不透明感から失敗に終わった。

中国メディアはカナンの評価額を20億〜30億ドル、発行株数を1億2600万株と推定した。

同社は2019年はじめ、中国本土もしくはアメリカでの上場を検討し始め、7月に密かに目論見書のドラフトをSECに申請したと報じられた。だが、公式のF-1書類は今回初めて公表された。

2019年のビットコイン価格の高騰によって、ビットコイン・マイニング装置の需要は複数の主要マイニング装置メーカーからの供給を上回り、ビットメイン(Bitmain)、カナン、マイクロBT(MicroBT)といった主要メーカーの販売数は急増した。例えばマイクロBTは2019年第3四半期だけで4億ドルの収益を見込んでいる。

一方、ビットメインも香港の取引所や規制当局が同社の持続性に疑問を持っていたために、長く期待されたIPOに香港で失敗した後、アメリカでの上場を目指していると報じられた。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Canaan co-chairman Kong Jianping image courtesy to Poolin event
原文:Avalon Bitcoin Miner Maker Canaan Officially Files for $400 Million US IPO

カナン・クリエイティブの売り上げデータはEdgarより