- フランクリン・テンプルトンのオンチェーン米政府マネーマーケットファンドがイーサリアムブロックチェーンで取引可能に。
- このファンドは既に他の複数のブロックチェーンで利用でき、最近ではベース、アプトス、アバランチが追加された。
- イーサリアムブロックチェーンは発行企業の間で圧倒的に人気があり、16億ドル相当のトークン化資産を扱っている。
資産運用会社フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は、オンチェーン米政府マネーマーケットファンド(FOBXX)の取引を、時価総額で2番目に大きいブロックチェーンであるイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンに拡大した。
フランクリン・テンプルトンは今年、このファンドが対応する新しいブロックチェーンを複数追加している。直近で追加されたものには、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)のベース(Base)、アプトス(Aptos)、アバランチ(Avalanche)が含まれる。主要なパブリックブロックチェーンとしてはステラ(Stellar)ネットワークを使用している。
FOBXXは2021年に立ち上げられ、トランザクション(取引)と所有権を追跡するのにパブリックブロックチェーンを使用した初のマネーマーケットファンドとなった。現在の時価総額は4億1000万ドル(約635億5000万円、1ドル155円換算)で、トークン化されたマネーマーケットファンドとしては3番目の規模だ。
世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)の米ドル機関デジタル・リクイディティ・ファンド(BUIDL)は、3月下旬の立ち上げからわずか6週間で時価総額ランキングのトップに躍り出た。BUIDLの現在の規模は5億4500万ドルで、2番手のオンド(Ondo)の米ドル利回り(USDY)は4億5200万ドル。
発行企業の間では、トークン化された国債の持ち分を発行する選択肢としてイーサリアムブロックチェーンが圧倒的に人気だ。rwa.xyzのデータによると、イーサリアムブロックチェーンが16億ドル(約2480億円)以上の資産を扱っており、ステラとソラナ(Solana)がそれに続いている。
資産運用会社グレイスケール(Grayscale)は4月のレポートで、イーサリアムブロックチェーンは「ネットワーク参加者にとって有意に分散化されており、中立性が信頼できる。これはトークン化資産のグローバルプラットフォームには必要な条件だろう」と指摘。それゆえにイーサリアムブロックチェーンは各種スマートコントラクトの中でトークン化の恩恵を受けるチャンスが最も大きいと論じた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:フランクリン・テンプルトンの社長兼CEO(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Franklin Templeton Expands $410M Money Market Fund to Ethereum Blockchain