ソラナはイーサリアムの70%ディスカウント評価が正しいのか?

ソラナ(SOL)は2023年1月にはイーサリアム(ETH)の時価総額の97%のディスカウントで取引されていた。これは明らかに市場の混乱であり、この2年で大幅に解消された。

現在、ディスカウントは70%に縮小している。

だが、ソラナブロックチェーンは、オンチェーン・アクティビティとネットワーク利用の主要指標でイーサリアムブロックチェーンに挑み始めている。

これはまた疑問を生む。すなわち、市場はまだ混乱しているのだろうか?

ここでは、4つのデータを相対的に見ることで、この大きな疑問を解決してみよう。

1.ネットワーク手数料

Data: Artemis, The DeFi Report, Gas Fees Only (does not include MEV). Please note that we’ve included the following L2s in the comps data: Arbitrum, Base, Optimism, Blast, Celo, Linea, Mantle, Scroll, Starknet, zkSync, Immutable, and Manta Pacific.

レイヤー2は、レイヤー1であるイーサリアムブロックチェーンに対する新たな需要を生み出し、暗号資産イーサリアムのネットワーク効果を高める。そのため、ソラナとの比較分析にはレイヤー2を含めている。

2024年第2四半期(4-6月期)、ソラナは手数料として1億5100万ドルを稼ぎ出した。これはイーサリアムとそのトップレイヤー2の27%に相当する。

直近90日間では、その割合は49%に跳ね上がっている。

2. DEX取引高

Data: Artemis, The DeFi Report

第2四半期、ソラナのDEX(分散型取引所)取引高はに1080億ドル、イーサリアムおよびそのトップL2の36%。過去90日では1530億ドル、57%に上昇している。

3. ステーブルコイン取引高

Data: Artemis, The DeFi Report

第2四半期、ソラナのステーブルコイン取引高は4兆7000億ドル、イーサリアムとそのトップL2の1.9倍。過去90日では9630億ドル、イーサリアムとトップL2の30%となった。

なぜ大きく減少してしたのか?

これは主に、第2四半期にボット/アルゴリズム取引が数字を水増ししたことが原因と考えられる。

さらにArtemisによると、ソラナブロックチェーンのステーブルコイン取引高のうち、ピアツーピア送金はわずか6%という。イーサリアムブロックチェーン(L1)では、この数値は約30%。これは、ソラナよりもイーサリアムが投機的ではない活動に多く使用されていることを示す。

ステーブルコイン供給高では、ソラナはイーサリアムおよびそのトップL2の4.1%。第2四半期末には3.5%だった。

4. Total Value Locked(TVL)

Data: Artemis, The DeFi Report

第2四半期、ソラナのTVLは42億ドル、イーサリアムおよびそのトップL2の6.3%。

現在(当記事執筆時点)では82億ドル、イーサリアムおよびそのトップL2の12%。

直近90日のパフォーマンスをもとにまとめると、ソラナは現在、

  • 手数料はイーサリアムの49%(第2四半期の27%から増加)
  • DEX取引高はイーサリアムの57%(第2四半期の36%から増加)
  • ステーブルコイン取引高はイーサリアムの30%(第2四半期の190%から減少)
  • ステーブルコイン供給高はイーサリアムの4.1%(第2四半期の3.5%から増加)
  • TVLはイーサリアムの12%(第2四半期の6%から増加)

オンチェーンデータは、ソナラの評価がイーサリアムに対して適正であることを示していると考えられる。

とはいえ、投資家は年末から2025年にかけて、2つのネットワークの質的な違いと、今後起こり得る潜在的な上昇要因を考慮すべきだろう。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Artemis, The DeFi Report
|原文:Should SOL Be Trading at a 70% Discount to ETH?