初めてビットコイン購入者が「倍増」:スクエア第3四半期決算

2019年第3四半期、スクエア(Square)のビットコイン売上は1億4800万ドル(約161億円)にのぼった。

ツイッター(Twitter)の共同創業者ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が設立した決済企業スクエアは2019年11月6日(現地時間)に第3四半期の決算を発表、2019年7月1日〜9月30日までの売上高は12億7000万ドル(約1380億円)となった。

スクエアにとって仮想通貨事業はまだニッチな事業だが、同社のキャッシュ(Cash)・アプリをビットコイン投資の入り口として使うユーザーは増えている。特に同社がアプリの新しいユーザーインターフェースをリリースした後に増加した。

「初めてビットコイン購入者がほぼ倍増した」と11月6日に発表された株主向けレターは記した。

スクエアのビットコイン売上高は前年同期比244%増となった。2018年の第3四半期の売上高はわずか4300万ドル(約47億円)だった。だが、コストも1億4600万ドルかかっており、2四半期連続で利益はわずか200万ドル(約2億円)に留まった。

第3四半期のキャッシュ・アプリ全体の売上高は3億700万ドル(約334億円)となった。

第4四半期の業績見通しについて同社は、ビットコインとトランザクションのコストを5億7500万ドル〜5億8500万ドルと予測している。株主向けレターは次のように記した。

「我々は、2019年通期の売上高見通しの上限を1億1000万ドル増加させている。セラー(Seller)およびキャッシュ・アプリ事業の基本的な傾向および第3四半期のビットコインの好成績によるものだ」

スクエアはキャッシュ・アプリに購入オプションを追加し、2017年11月からユーザーにビットコインを販売している。同社はこの機能によって急速な成長を遂げており、前四半期のビットコイン売上高は1億2500万ドル、2019年第1四半期収益の2倍となった。

売上高は増えているものの、十分な利益を生み出すことには苦戦している。第1四半期の利益はわずか83万2000ドル、第2四半期、第3四半期はどちらも約200万ドルだった。

おそらくこのことへの対応として、キャッシュ・アプリは最近、ビットコイン購入の新たな料金体系を導入した。

それでも前年比でスクエアのビットコイン販売量は急激に伸びている。2018年第1四半期のビットコイン売上高は3400万ドル、第2四半期は3700万ドルだった。

同社はまた、スクエア仮想通貨(Square Crypto)チームを作り、キャッシュ・アプリでの利益追求とは別に、ビットコイン・プロトコル開発に資金を投入している。

翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Jack Dorsey image via CoinDesk archives
原文:First-Time Bitcoin Buyers ‘Doubled’ in Square’s Q3 Report