仮想通貨投資家のよくある「確定申告」5つの疑問──仮想通貨取引所TAOTAO(タオタオ)代表が聞く

仮想通貨取引をしている人だけでなく、これから始めてみたい人、ちょっと興味があるという人が一番気になることの一つが「確定申告」といっても差し支えないだろう。

そこで今回は、確定申告が気になる投資家が知っておくべきこと、よくある質問5つを、ヤフーグループ会社出資の仮想通貨取引所TAOTAO(タオタオ)代表の荒川佳一朗氏が、投資家にかわって専門家にぶつけた。教えてくれるのは、仮想通貨の確定申告支援サービス「Guardian」(ガーディアン)を早くから提供しているAerial Partners(エアリアル・パートナーズ)代表の沼澤健人氏だ。

教えてくれる人:
沼澤健人(株式会社Aerial Partners 代表取締役/公認会計士)

KPMG有限責任あずさ監査法人を経て起業。代表を務める株式会社Aerial Partners(エアリアル・パートナーズ)は、仮想通貨の確定申告サポート「Guardian(ガーディアン)」などを提供。Twitterの仮想通貨アカウント「二匹目のヒヨコ」の中の人。

聞く人:
荒川佳一朗(TaoTao株式会社 代表取締役)

仮想通貨取引所TAOTAOを運営する、TaoTao株式会社の代表取締役。TAOTAOは19年5月にサービスを開始し、預かり資産約5億円、利用者数約1万人(ともに19年9月末現在)で、ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュを取り扱っている(BTC、ETH以外はレバレッジ取引のみ)。

Q1 確定申告が必要なのはどんな人?買っただけでも申告は必要?

荒川 TAOTAOはサービス開始後間もなく、取引を始めたばかりのお客様も多いんです。そういったお客様が一番気にされるのが「自分は確定申告をする必要があるのか?」ということのようです。また、「仮想通貨を買いはしたけど、まだ売ってはいない」というお客様も多いですね。そういうお客様も確定申告は必要なのでしょうか?

A1 仮想通貨で得た利益が20万円以上の人、仮想通貨取引以外の雑所得とあわせて20万円以上の人は申告が必要です。買っただけで使ってないなら申告は不要です。

沼澤 これは日本の居住者全員が対象です。ただ「仮想通貨を買ったけど売ってもないし、支払いにも使ってない」という人は申告する必要ありません(仮想通貨取引以外で当てはまる条件がある場合は別です)。分かりづらいのは、すべての取引所の取引データを合算する必要があること。当社の調査では仮想通貨トレーダーは平均で6〜7社の取引所を使っています。すべての取引所からデータを集めて合算するのは結構大変です。

Q2 仮想通貨取引で「損したら」申告しなくていい?

荒川 20万円以上の利益が出たら申告しなければいけない訳ですね。ただ残念ながら投資においては損失が生じることもがあります。この場合は申告しなくていいのでしょうか?

A2 申告の必要ありませんが、雑所得がある方は通算できるので申告したほうがお得な場合があります。また翌年の申告などに影響するかもしれないのでデータは整理しておきましょう。

沼澤 損がでている場合は基本的に申告は不要ですが、年金を受け取っている場合など、その他の雑所得がある方は、雑所得内での通算ができるのでその場合は申告したほうがお得です。仮想通貨の利益は「雑所得」で、株式やFXとは課税の仕組みが異なりますし、損失の繰り込しもありません。ただ翌年にプラスが出たら申告することになり、その申告の際には過去の取引データすべてが必要になる可能性があるため、2019年の取引についてはデータをまとめておくべきですね。

Q3 申告って複雑で難しそうですが、まず何をすべき?その後はどうすればいい?

荒川 なるほど。いずれにしても取引データをまとめておくことが重要であると。TAOTAOでも申告に必要となる年間損益報告書を提供するための準備を進めていますが、この報告書を各取引所分そろえる必要がある訳ですね。
そこまではお客様ご自身でできたとしても、その後が大変ですよね。確定申告のための計算は非常に複雑かつ難解です。

A3 すべての取引所で取引データをそろえましょう。面倒なら、専門家に依頼するか、自分で申告するにしても計算ツールを使いましょう。

沼澤 自分で確定申告するにしてもプロに任せるにしても、取引データをそろえることは必須です。海外の取引所の中には、年間の取引データを出す義務がないために、まとまった書類を出してもらえないところもあるので要注意です。そのうえで申告を専門家に任せるか、自分で確定申告するか決めます。依頼にするにしても、税理士でも仮想通貨税制に精通している人は少ないので、専門性の高いプロを見つけるべきです。自分で申告する際に使う計算ツールは有料、無料とありますが、まだ仮想通貨取引の確定申告に関する知識は普及しきっていないためか、高いクオリティのものがまだ無料で使えることがあります。

Q4 確定申告の準備は年明けに始めればいい?

荒川 TAOTAOのお客様の中にもサラリーマンや専業主婦、学生など、今まで確定申告の手続きをしたことがないというお客様は多いですね。こういったお客様にとって取引データや申告書類をまとめるのは非常に大変だと思います。申告期限は3月なので、「年明けから少しずつ準備すればいいか」というお客様も実のところ多いようです。

A4 投資戦略に影響するので、早めにデータをまとめて現状を確認することをオススメします。

沼澤 たしかに申告期限は3月ですが、今後の投資・トレード戦略に影響するので一度早く現状を整理したほうがよいでしょう。たとえば11月末時点で仮想通貨取引による所得が1000万円になる見込みだとして、買った仮想通貨で300万円の含み損がある場合、もしそれを12月中に売って損失が確定すると、所得額は700万円になるわけです。申告を避けることを勧めるつもりはありませんが、今後の、特に12月にどういう投資・売買をするかに影響するので、11月中など、早めに一度まとめておいたほうがいいですね。

Q5 必要な書類と流れは分かりました。そのうえで注意すべきことは?

荒川 まず自分が確定申告する必要があるかの確認すること、次に取引データをそろえることが必要なことは分かりました。こういった情報を入手するため、自分でネット検索していろいろと調べているお客様も多いようですが、仮想通貨の確定申告についての情報は玉石混交で、何が大切なのか、何が本当なのかの見極めが相当難しいという声をよく聞きます。

A5 できれば国税庁などの一次情報を含む正しい情報にあたること。その上で、信頼の置ける専門家やツールを見つけましょう。

沼澤 仮想通貨取引と確定申告は、まだ歴史も浅く、精通している人も少ないこともあってか、誤った情報が見受けられます。ちょっと難しいかもしれませんが、国税庁ホームページには仮想通貨関係のよくある質問などがまとめられていまるので、読んでみることをオススメします。また税理士など税務や申告のプロでも仮想通貨については詳しくない人もいますので、この分野に特化した専門家、ツールを見つけたほうがいいでしょうね。

「まず把握すること。正しく知れば怖くない」──TaoTao荒川

荒川 今回は、TAOTAOを実際にご利用されているお客様から寄せられる質問や、確定申告未経験の投資家の皆さんが疑問に思うであろうことをまとめて、沼澤さんにおたずねしてみました。あらためて思ったのは、正しい情報にあたること、自分の取引履歴や現在の状況などを正しく知ることの重要さです。正しい情報や、自分が必要なこと、何をすればいいかを教えてくれる税務のプロにご相談できれば、非常に心強いですね。

 

1億円以上お取引で確定申告サポートプレゼントキャンペーン

仮想通貨の取引によって利得が生じた場合の確定申告の手続きは意外と大変。そこでTaoTaoは、1ヵ月間に1億円以上取引した利用者に対して、Aerial Partners社の提供する仮想通貨の確定申告サポートサービス “Guardian”(基本プラン+申告オプション)をプレゼントするキャンペーンを開催中。“Guardian”を活用すれば、自分では難しい仮想通貨の確定申告はプロに任せて、安心してTAOTAOでの仮想通貨取引ができそうだ。

キャンペーンは終了しました
2019年11月1日(金)7:00~2019年11月30日(土)6:59

       

文・編集 CoinDesk Japan編集部広告制作チーム
写真・多田圭佑