
直近の日本におけるビジネス動向、投資動向、規制動向をまとめます。
日本のビジネス動向
◾️JVCEA取引高および口座開設数
2024年11月までの過去12ヶ月のJVCEAの提供する取引高および口座数

- 2024年10月から2024年11月にかけて、現物取引は約139%増加し、証拠金取引は約174%増加しており、市場が活況になってきていると考えられます。
- また、2024年11月は過去12ヶ月において現物取引、証拠金取引ともに最大の取引額となっています。
- 過去12ヶ月間のデータにおいて、全体の設定口座数および稼働口座数は、単月増加数で過去最高を記録しました。また、証拠金取引に関する設定口座数と稼働口座数も同様に過去最高を更新しており、市場の活況に加えて、当社が2024年11月11日にリリースした信用取引の影響が大きいと考えられます。
◾️日産、自動車業界初のWeb3サービス「NISSAN PASSPORT BETA」を2025年1月開始
日産自動車は2025年1月から、Web3技術を活用した新サービス「NISSAN PASSPORT BETA」を開始します。
5,523枚のメンバーシップNFTが「FUTURISTIC」「PERFORMANCE」「CLASSIC」「SMART LIFE」の4種類で発行され、ユーザーの好みや行動に応じて進化する「デジタル証明書」として機能します。これにより、さまざまなサービスや特典へのアクセスが可能となります。
応募期間は2024年12月5日から2025年1月14日までで、当選者には無料配布されます。また、独自ウォレットやDiscordを活用した顧客コミュニティを構築し、2025年3月からは特典が得られるリワードプログラムも開始される予定です。
参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000009883.html
◾️マイナンバーカードを活用したWeb3決済構想、「マイナコイン」の商標出願が明らかに
a42x株式会社が、マイナンバーカードを活用したデジタルウォレット「マイナウォレット」に続き、新たに「マイナコイン」の商標を出願したことが判明しました。
マイナウォレットは、マイナンバーカードを用いて暗号資産やNFTの管理・送金を可能にする革新的なサービスで、既に新潟県長岡市山古志地域での実証実験が進行中です。平将明デジタル大臣もこの技術を体験しており、政府との連携が進められています。
今回の「マイナコイン」商標出願により、マイナンバーカードを活用した独自のデジタルトークンの発行や、行政サービスとの連携が期待されます。a42x社は、イーサリアム財団からの支援も受けており、日本国内でのWeb3技術の普及と利便性向上に向けた取り組みを強化しています。
参照:https://a42x.co.jp/news/2024/11/07/mynawallet-yanakoshi-event-02/
◾️JR東日本、Suicaデータ活用のブロックチェーンアプリ「JRE WALLET」を発表
JR東日本は、2025年1月10日からブロックチェーン技術を活用したアプリ「JRE WALLET」が提供開始されました。このアプリは、Suicaの利用データを基盤に、メタバース「ZEPETO」やカルビー、みずほ銀行、日本生命などの大手企業と連携し、新たなサービスを展開します。
例えば、山手線全駅の利用でゲーム内デジタル報酬を獲得できるなど、実際の移動データとデジタルサービスを連動させた体験を提供します。また、利用者の同意に基づき、移動パターンや購買履歴を分析し、個々のライフスタイルに合わせたサービスも展開予定です。
参照:https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241210_ho01.pdf
◾️スクウェア・エニックス、セガ、コナミらが参加:日本暗号資産ビジネス協会がブロックチェーンゲーム部会を設立
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、スクウェア・エニックス、セガ、コナミデジタルエンタテインメントなどの国内大手ゲーム企業や、暗号資産取引所のコインチェック、有力法律事務所と共同で、ブロックチェーンゲーム部会を設立しました。
部会長にはコインチェックの井坂友之 氏、副部会長にはスクウェア・エニックスの畑圭輔 氏が就任し、幹事にはコナミデジタルエンタテインメント、コロプラ、セガ、ドリコムの各社から参加しています。この部会は、ブロックチェーンゲームに関する法務・会計・税務上の課題を整理し、業界全体での提言を目指すことを目的としています。具体的には、暗号資産仲介業を活用したゲーム展開、NFTの法的解釈、期末時価評価課税などの検討を進める方針です。また、先行事例の共有も行う予定です。
参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000061087.html
◾️TOPPAN、平将明議員の公式サイトで電子透かし技術を実証実験
TOPPANデジタル株式会社は、平将明デジタル大臣の公式サイトにおいて、デジタルコンテンツの真正性を証明する実証実験を実施しています。この取り組みでは、同社が開発したメタバース向けアバター管理基盤「AVATECT®」の電子透かし付与機能を活用し、ウェブ上の画像データに出所や編集履歴などの情報を埋め込み、インターネット上で拡散された際に情報源や改ざんの有無を確認することを目指しています。
実証は2024年10月11日から12月27日まで行われ、SNSでの画像圧縮による情報欠落などの課題も明らかになりました。TOPPANデジタルは、これらの知見を基に改善を進め、2025年度内にウェブコンテンツ対応の「AVATECT®」を提供することを目指しています。
参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001567.000033034.html
◾️NTTドコモ、NFTカスタマイズ可能なWeb3レーシングゲーム「GT6551」を2025年春にリリース
NTTドコモは、2025年春にブロックチェーン技術を活用したカーレースゲーム「GT6551」を提供開始すると発表しました。このゲームでは、イーサリアムのERC6551規格を採用したNFTを用いて、ユーザーが独自のレーシングマシンを作成・カスタマイズできます。具体的には、サスペンションやボディ、タイヤなどの「部品NFT」、燃費や加速性能を示す「性能NFT」、そして「ドライバーNFT」を組み合わせて、オリジナルのマシンを構築可能です。
作成したマシンはユーザーの資産として所有でき、最大4人での3D視点のレース対戦が楽しめます。このゲームは、ドコモのメタバースサービス「MetaMe」上で提供され、2025年1月29日からはベータ版も開始予定です。ベータ版では用意されたマシンでのプレイが可能で、NFTによるカスタマイズ機能は正式版から利用できる予定です。
参照:https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_241220_10.pdf
◾️みずほ証券とブルースカイ、太陽光発電事業を基盤とした国内初のインフラ私募ファンドによるSTOを実施
みずほ証券とブルースカイアセットマネジメントは、関東および中国地方に位置する8ヵ所、総出力約9.5メガワットの太陽光発電施設を基盤としたインフラ私募ファンドにおいて、国内初の私募STO(セキュリティトークンオファリング)を実施しました。
この取り組みでは、BOOSTRY社のブロックチェーン基盤「ibet for Fin」を活用し、事務負担の軽減やコスト削減、情報伝達の効率化を図っています。みずほ証券は、再生可能エネルギー市場の拡大を目指し、今後もセキュリティトークンを活用した新たな金融商品の開発を進める方針です。
参照:https://www.mizuho-sc.com/company/newsrelease/2024/pdf/20241225_01jp.pdf
投資動向
◾️アニモカブランズジャパン、Oasysに出資しバリデータとして参画
アニモカブランズジャパン(Animoca Brands Japan)は、ゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」の開発元であるオアシス社に出資し、新たなバリデータ(検証者)として参画することを発表しました。
この提携により、アニモカブランズジャパンは親会社である香港のアニモカブランズのネットワークを活用し、Oasysの新規ユーザー獲得を支援します。オアシス社は、中国本土を中心としたグローバル市場でのユーザー拡大を目指しています。
参照:https://animocabrands.co.jp/whatsnew/2FevyWlqcikj9VXCjfpYwz
規制動向
◾️自民党合同会議で暗号資産業界の安全対策が議論、JCBAとJVCEAが現状を報告
2024年12月18日、自民党デジタル社会推進本部と金融調査会の合同会議において、暗号資産業界の現状と安全対策について議論が行われました。
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が出席し、暗号資産に関する最新の取り組みや課題、業界発展のための緊急提言案を提示しました。この会議を通じて、規制の強化や利用者保護を進める重要性が再認識されました。今後、政策立案にどのように反映されるかが注目されています。
参照:https://cryptocurrency-association.org/policy/20241219-001/
◾️自民党、暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言を正式承認
2024年12月19日、自民党の政調審議会において、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」が正式に承認されました。この提言は、暗号資産取引の申告分離課税の導入、規制の枠組みの見直し、サイバーセキュリティ支援の強化など、暗号資産市場の健全な発展と国際競争力の強化を目的としています。
特に、暗号資産取引による損益を20%の申告分離課税の対象とし、損失の繰越控除を認めることや、暗号資産の金融商品化とETFの検討が盛り込まれています。また、取引所間や海外とのセキュリティ情報の共有を強化し、政府がこれらの取り組みを後押しする方針が示されました。