XRPとドージコインは20%急騰したが、中国の報復関税発表で再び下落
  • 中国がアメリカへの報復関税を発表した後、XRP、DOGEは下落した。
  • アメリカの関税に対する中国の反撃が長期的に与える影響については、依然として意見が分かれている。

2月3日に22億ドル(約3410億円、1ドル=155円換算)が精算されたことを受けた押し目買いでリスクテイク派が利益を得たことを受け、最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)は最大20%上昇した。しかし、その後、中国がアメリカへの報復関税を発表したため、利益のほとんどは失われた。

それでも、エックス・アール・ピー(XRP)、ドージコイン(DOGE)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)は3%近く上昇し、BTCとイーサリアム(ETH)は4%近く上昇している。

「米中の関税をめぐる対立は、リスク資産への投資意欲を減退させ、過去1年間にわたって暗号資産産業の強気相場を後押ししてきたポジティブな感情に大きな影響を与える可能性がある」とハッシュキー・グローバル(HashKey Global)のマネージングディレクターであるベン・エルバズ(Ben El-Baz)氏は、テレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。「しかし、アメリカで暗号資産に友好的な政策がさらに打ち出されれば、関税によるダメージは一時的なものにとどまる可能性がある」とエルバズ氏は付け加えた。

中国の報復措置が長期的に与える影響については、トレーダーの間でも意見が分かれている。市場は、トランプ政権下で中国に対するさらなる措置が取られる場合、巻き戻しや長期にわたる減損の可能性に懸念を示している。

「ビットコインをデジタルゴールドと考える人が増えているにもかかわらず、ビットコインは依然としてリスク資産のような動きをしている」と、プレスト・リサーチ(Presto Research)の投資アナリスト、ミン・ジョン(Min Jung)氏はテレグラムでCoinDeskに語った。「その結果、アメリカに対する中国の報復関税10%は、株式などの他のグローバルなリスク資産と同様に、暗号資産に圧力をかけている」。

「今日の最初の反応は過剰反応だったかもしれないが、市場がさらなる展開を消化するにつれ、ボラティリティの高まりは今後も続くだろう。今重要なのは、この動きが主に交渉戦術であり、最終的には元に戻る可能性があるのか、それとも、中国がトランプ氏の暴言の中心的な焦点となっていることを考えると、長期にわたる貿易紛争の始まりを意味するのかということだ」とジョン氏は述べた。

ドナルド・トランプ大統領がカナダ、メキシコ、中国からの輸入品に課税する決定を下したことを受け、2月3日にビットコインと幅広い株式市場が急落し、投資家の関心がトランプ大統領の暗号資産支持の姿勢から即座に関税の経済への影響へと移った。

3日の大幅な清算イベントは、トレーダーたちに「押し目を買う」機会を提供したと、CoinDeskの分析は指摘している。関税発表を受けて、経済的不確実性や為替変動に対するヘッジ手段として、ドル建てのステーブルコインへの関心が高まった。

しかし、関税の賦課は影響を受ける国々からの報復措置につながる可能性があり、より広範な貿易戦争に発展し、今後数日の間に暗号資産市場全体のさらなるボラティリティにつながる可能性がある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP and Dogecoin Surged 20%, Then Dipped as China Tariffs Dent Crypto Rebound