
DAO(分散型自律組織)のコンサルティング・実務支援を行うガイアックスは2月4日、同社が開発したDAO運営基盤「DAOX」を活用し、群馬県の関係人口創出と移住促進を目指す地方創生プロジェクト「ぐんま山育DAO」を開始すると発表した。

同社は同県から委託を受け、中山間地域でのワインづくりプロジェクトを進め、資金調達と県外からの労働人材確保などに株式会社型DAOを活用する。
第一弾の「自然派ワイン醸造プロジェクト」では、地元事業者と自然派ワインの専門家を招き、同県の山の一部をワイナリーとして開拓。出資者はぶどう畑の中から自分専用の「区画」を選び、そこで育ったぶどうを使ったワインづくりを楽しめるほか、収穫祭や試飲会などを通じて地域との関係を深めることもできる。

リリースによると、同社は取り組みの狙いに関して、「参加者に地域に対する当事者意識をもってもらうことにより、持続可能性が高いプロジェクトを多発的に創出すること」を挙げており、将来的には作ったワインのふるさと納税返礼品登録や販売も目指しているとしている。また、この取り組みをモデルケースとし、他のプロジェクト始動も視野に入れている。

「株式会社型DAO」を展開
地方創生に必要な資金調達の手段として、DAOを活用するケースは広がりを見せている。2024年4月の法改正により、法人格を持った合同会社型DAOの設立と制限付きではあるものの社員へのトークン発行が可能になったことで、DAOを活用した資金調達が可能になった。
しかし、合同会社型DAOには出資額以上の収益分配を非業務執行社員にはできないという制約がある。
そのためガイアックスは、投資家に出資以上のリターンを提供したい場合などは、出資に関する制約がなく、分配可能額の範囲内であれば配当が可能な「株式会社型DAO」を提唱。和歌山県などにまたがる熊野古道周辺にある歴史的建造物を保全、運営するための小口投資プロジェクトなどでも株式会社型DAOを活用している。
|文:橋本祐樹
|画像:リリースより