
- 中央集権型取引所は2月3日、約10億ドル(約1540億円、1ドル=154円換算)相当のイーサリアム(ETH)の流出を記録した。
- この流出は1日としては過去1年強で最高となった。
- イーサリアムの価格は、一部の取引所で2000ドル近くまで暴落した。
時価総額第2位の暗号資産(仮想通貨)イーサリアムは2月3日、米国主導の貿易戦争の懸念がリスク資産に重くのしかかるなか、暴落した。データによると、投資家は下値を拾い、コインを安値で買い占めたようだ。
分析会社のIntoTheBlockによると、3日にはほぼ10億ドル相当のイーサリアムが中央集権型取引所から流出した。これは2024年1月以来、1日で最も多い純流出となった。
「これはトレーダーが、イーサリアムを蓄積するために下落を利用したことを示している」と、IntoTheBlockは指摘した。
市場の流動性が悪化し、ディーラーが先物を売却しようと奔走したため、イーサリアムの価格は一部の取引所で2000ドル近くまで暴落した。
価格は2800ドルまで回復したものの、UltraSound.Moneyのデータでは、イーサリアムに対するマージ(Merge)によるデフレ効果の解消が示唆されており、センチメントは弱気なままだ。
イーサリアムETFの取引高、過去最高を記録
ドナルド・トランプ米大統領がカナダとメキシコに関税を課し、その後一時停止したことで市場が不安定な一日となるなか、イーサリアムETF(上場投資信託)は3日、記録的な取引高を記録した。
ブルームバーグのデータによると、トレーダーは9つのETFの約15億ドル分のシェアを動かした。その半分をブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)が占めていた。
しかし、全体のフローは通常の域を外れてはいなかった。ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)によると、イーサリアムETFは3日、8360万ドルの純流入を集め、その大半はフィデリティ(Fidelity)のイーサリアム・ファンド(FETH)に流入した。ETHAは9つのETFの中で依然として最大のファンドだが、3日には純流入はなかった。
ドナルド・トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ氏は3日午後、Xでフォロワーにイーサリアムを追加購入するよう促し、今が買い時だと主張した。
この投稿は、すでに高まっていたその日のボラティリティに拍車をかけ、イーサリアムの価格は2900ドル近くまで急騰。当記事執筆時点では、イーサリアムは2780ドルで取引されており、24時間前より3.5%上昇している。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Ether Worth Nearly $1B Left Exchanges Monday as Trade War Fears Sent Prices Crashing